小児歯科領域における複合レジンの応用と開発に関する研究: 第3報:新しい摩耗試験機の試作とClearfil-Fの摩耗性について
「はじめに」複合レジンを乳臼歯の咬合面を含む歯冠修復に用いた報告は多く, いずれも十分に臨床的実用に耐え得る修復材であるといわれている1~5). しかし, 永久臼歯部に複合レジンを用いた場合は, アマルガム修復と比較して咬合面部の摩耗が著しいので修復部分の解剖学的形態を維持することが困難であり, 従って複合レジンによる歯冠修復の適応症は, 永久歯では3級, 4級, 5級窩洞と, 審美的修復の要求される第一小臼歯近心隣接面を含む2級窩洞に限られるというのがほぼ定説となっている6). 複合レジンの耐摩耗性に関する研究は, 元来, レジンが審美的歯冠修復材として前歯部に用いられていたために, その多...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1980/08/25, Vol.18(2), pp.260-264 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」複合レジンを乳臼歯の咬合面を含む歯冠修復に用いた報告は多く, いずれも十分に臨床的実用に耐え得る修復材であるといわれている1~5). しかし, 永久臼歯部に複合レジンを用いた場合は, アマルガム修復と比較して咬合面部の摩耗が著しいので修復部分の解剖学的形態を維持することが困難であり, 従って複合レジンによる歯冠修復の適応症は, 永久歯では3級, 4級, 5級窩洞と, 審美的修復の要求される第一小臼歯近心隣接面を含む2級窩洞に限られるというのがほぼ定説となっている6). 複合レジンの耐摩耗性に関する研究は, 元来, レジンが審美的歯冠修復材として前歯部に用いられていたために, その多くは歯ブラシによる摩耗試験法が採用されてきた. ところが, この試験方法は, 歯ブラシによる修復材の摩耗量を知るために行われる方法であり, この方法でアマルガムと複合レジンとを対比させて摩耗試験を行うと, アマルガムの摩耗量が複合レジンのそれよりも多くなり, これまでの臨床試験の結果とは逆になる7). また, 歯ブラシ摩耗試験機の他にも歯科材料用の摩耗試験機がいくつか考案されているが, これらは試験片を砥石やサンドペーパーにこすりつける摩擦摩耗試験であったり, あるいは咬合器にとりつけた試料を咬交運動させる装置であったりして, 臼歯部での臨床的摩耗状態を再現しているかどうかは判然としない. |
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ISSN: | 0583-1199 2186-5078 |
DOI: | 10.11411/jspd1963.18.2_260 |