多変量解析法による食物繊維,ビタミンA,Cとウ蝕の関係

18~19歳の女子108名を対象にして,粗繊維,ビタミンA,Cの摂取量とウ蝕の相互関係について,多変量解析法により検討を加えた。食物摂取調査は週日連続3日閥行い,粗繊維,ビタミンA,Cの各総摂取量と,それぞれの各食品群別摂取量を求めた。ウ蝕の罹患状態はDMF歯率によった。 DMF歯率は総粗繊維,野菜類粗繊維,きのこ類粗繊維,総ビタミンA,野菜類ビタミンA,総ビタミンC,野菜類ビタミンCの各摂取量と危険率1%水準で,それぞれ逆相関が成立するこ.とを有意と認めた。 つづいて,相関行列に主成分分析を行い,その結果から固有値1以上のものをひろい,規準バリマックス法による因子軸の直交回転を適用し,各因子...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1980/08/25, Vol.18(2), pp.247-252
Hauptverfasser: 垣本, 充, 河野, 友美, 岡崎, 卓司
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:18~19歳の女子108名を対象にして,粗繊維,ビタミンA,Cの摂取量とウ蝕の相互関係について,多変量解析法により検討を加えた。食物摂取調査は週日連続3日閥行い,粗繊維,ビタミンA,Cの各総摂取量と,それぞれの各食品群別摂取量を求めた。ウ蝕の罹患状態はDMF歯率によった。 DMF歯率は総粗繊維,野菜類粗繊維,きのこ類粗繊維,総ビタミンA,野菜類ビタミンA,総ビタミンC,野菜類ビタミンCの各摂取量と危険率1%水準で,それぞれ逆相関が成立するこ.とを有意と認めた。 つづいて,相関行列に主成分分析を行い,その結果から固有値1以上のものをひろい,規準バリマックス法による因子軸の直交回転を適用し,各因子をえた。粗繊維に関しては,第1因子がウ蝕に関する因子で,DMF歯率は総粗繊維,野菜類ときのこ類粗繊維の摂取量と逆関係を示した。ビタミンAに関しては,第2因子がウ蝕に関する因子であるが,DMF歯率は総ビタミンA摂取量とは関連を示さなかった。ビタミンCに関しても,第2因子がウ蝕に関係する因子であるが,DMF歯率は総ビタミンC摂取量とは関連を示さなかった。 このように,既報でウ蝕の度合と野菜類の摂取が逆関係を示すのは,野菜類の粗繊維によるものと考えられる。
ISSN:0583-1199
2186-5078
DOI:10.11411/jspd1963.18.2_247