8 私たちの小児歯科臨床

乳歯重要性の認識が定着してきたこととはうらはらに, 今日の乳歯ウ蝕が慢延している事実は, 誠に予盾に満ちた現実であると思われる. このような中で, 日常臨床に携さわる多くの開業医は, 医療の本質, そしてその理想と現実の中で悩み, かつ迷いながら, ただひたすら底辺でのウ蝕治療にあけくれているものと思われる. 今, 全ての歯科医が考えなければならないことは, いかに効果的にウ蝕の発生を防ぐか, いかに効果的にウ蝕の進行を抑制し軽症にとどめるか, ということであると思う. そして, これらのことをどのように日常の臨床の中で消化していくかということになると思われる. 今回私どもは, この観点から,...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1979, Vol.17 (2), p.277-277
1. Verfasser: 角町正勝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:乳歯重要性の認識が定着してきたこととはうらはらに, 今日の乳歯ウ蝕が慢延している事実は, 誠に予盾に満ちた現実であると思われる. このような中で, 日常臨床に携さわる多くの開業医は, 医療の本質, そしてその理想と現実の中で悩み, かつ迷いながら, ただひたすら底辺でのウ蝕治療にあけくれているものと思われる. 今, 全ての歯科医が考えなければならないことは, いかに効果的にウ蝕の発生を防ぐか, いかに効果的にウ蝕の進行を抑制し軽症にとどめるか, ということであると思う. そして, これらのことをどのように日常の臨床の中で消化していくかということになると思われる. 今回私どもは, この観点から, 私どもの小児歯科臨床の目標を当面「来院時における, 患者の口腔状態を最低でも維持する」という点において, 診療室内での歯科医と歯科衛生士の業務を分担し, 診療のシステム化を確立し私どもなりに効果的に現実の小児ウ蝕に対応しているので, そのシステムを紹介する. 〈患者管理〉「(1)予防管理群」対象年齢は0~12歳で, 口腔内所見がウ蝕なしか, 落合等のウ蝕分類I型・II型で, ウ蝕の程度C2以下で衛生士担当(永久歯はC1以下) 「(2)予備治療管理群」対象年齢0歳~6歳で, 口腔内所見が, 落合等のウ蝕分類のII型・IV型で, ウ蝕の程度がC2以下. 担当は, 歯科衛生士(永久歯はC1以下) 「(3)治療管理群」対象年齢3歳6ヵ月~12歳で, 口腔内所見が ED/ED|DE/DE にC3以上のウ蝕を有する. 担当歯科医師(永久歯はC2以上) 「(4)咬合管理群」対象年齢3歳6ヵ月~12歳で, 口腔内所見が, 乳臼歯部に要抜去歯牙がある. 第1大臼歯の近心移動が認められるもの. 前歯反対咬合その他悪習慣があるもの. 担当歯科医師.
ISSN:0583-1199