49 クラウン・ループ保隙装置の臨床的観察―第2報:経年模型の分析結果について
演者らは第14回日本小児歯科学会総会においてクラウン・ループ保隙装置装着の実態について報告した. 今回, クラウン・ループ保隙装置の撤去症例について2・3の検討を加えた. 保隙に関しては後継永久歯が保隙部位に萌出できることは無論のこと, 撤去後永久歯列完成時まで追跡してはじめてその有効性が立証できるものと思う. この保隙効果を装置装着側と反対側との第1大臼歯の近心移動量の差として検討した. つまりクラウン・ループ保隙装置装着前期の左右差を基準とし, 撤去期, 永久歯列完成期の差の変動を比較し, 装置装着側が反対側より大きい場合を保隙効果が有効であったとした. 対象は昭和46年5月より昭和53年...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1979, Vol.17 (2), p.271-272 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 演者らは第14回日本小児歯科学会総会においてクラウン・ループ保隙装置装着の実態について報告した. 今回, クラウン・ループ保隙装置の撤去症例について2・3の検討を加えた. 保隙に関しては後継永久歯が保隙部位に萌出できることは無論のこと, 撤去後永久歯列完成時まで追跡してはじめてその有効性が立証できるものと思う. この保隙効果を装置装着側と反対側との第1大臼歯の近心移動量の差として検討した. つまりクラウン・ループ保隙装置装着前期の左右差を基準とし, 撤去期, 永久歯列完成期の差の変動を比較し, 装置装着側が反対側より大きい場合を保隙効果が有効であったとした. 対象は昭和46年5月より昭和53年10月末までに東北大学歯学部小児歯科の咬合管理ルートにのった863名の患者のうち, クラウン・ループ保隙装置が装着され撤去に至った片側性症例42例である. 保隙効果を有効と認めた症例は42例中34例(76.2%)であった. これを撤去理由別にみるとループカット症例では26例中24例(92.3%)と高かったのに比べて, 生理的トラブルでは14例中8例(57.1%)であった. 次に全症例中永久歯列が完成した19症例について完成時までみると, 保隙効果は16例(84.2%)有効と認められた. 保隙効果の認められなかった3例はいずれも装置装着前にすでに装着側が反対側より1.5mm減少していたものであった. また側方歯群長について同様な経時変化を比較すると, 第1大臼歯の近心移動量の場合と一致した値であった. クラウン・ループ保隙装置は保隙部位によって装置の使命を全うせず撤去を余儀なくされる場合がある. ループカット症例は全症例の61.9%に過ぎなかった. トラブルの発生しやすい部位に適応した場合注意する必要がある. |
---|---|
ISSN: | 0583-1199 |