C-8 就学前児童のウ蝕と食物嗜好と咬合力との関係 -特に野菜類嗜好について

目的:幼児・児童の身体的疾患のうち, ウ蝕はその罹患率の高さと, 発育や健康への悪影響のために近年, 社会問題化している. このようなウ蝕予防の1つの方法として, 栄養は非常な重要性をもつことが認識されている. 演者らの既報では不健康な者ほど野菜嫌いの傾向を示しまた情緒的に不安定な者も野菜嫌いの傾向を示した. 今回, このようなウ蝕と野菜類の嗜好, 咬合力との関連について検討を加え, 成績を得たので報告する. 方法:調査対象は幼稚園児310名で, ウ蝕リ患率はdef歯率で表わし, 野菜の嗜好度は9段階の嗜好意欲尺度を用いた. 質問は, (1)歯がよく痛みますか, (2)甘いものの間食をよくしま...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1978, Vol.16 (3), p.625-625
Hauptverfasser: 垣本充, 岡崎卓司, 辰吉子, 河野友美
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:目的:幼児・児童の身体的疾患のうち, ウ蝕はその罹患率の高さと, 発育や健康への悪影響のために近年, 社会問題化している. このようなウ蝕予防の1つの方法として, 栄養は非常な重要性をもつことが認識されている. 演者らの既報では不健康な者ほど野菜嫌いの傾向を示しまた情緒的に不安定な者も野菜嫌いの傾向を示した. 今回, このようなウ蝕と野菜類の嗜好, 咬合力との関連について検討を加え, 成績を得たので報告する. 方法:調査対象は幼稚園児310名で, ウ蝕リ患率はdef歯率で表わし, 野菜の嗜好度は9段階の嗜好意欲尺度を用いた. 質問は, (1)歯がよく痛みますか, (2)甘いものの間食をよくしますか, (3)便秘症ですか, (4)野菜をよく食べますか, である. また対象から70人を無作為に選び咬合力を測定した. 結果:歯がよく痛む者は痛まない者に比べてウ歯が多く, 野菜嫌いで, 咬合力が弱い. 甘いものの間食をよくするものは, しない者に比べて, ウ歯が多く, 野菜嫌いで咬合力が弱い. 便秘症の者は, そうでない者に比べて, 野菜嫌いで咬合力が弱い. 野菜をよく食べる者は食べない者に比べて, ウ歯が少ない. またdef歯率と野菜類の嗜好意欲尺度値との間には逆相関が, またdef歯率と咬合力との間にも逆相関が成立した. すなわち, ウ蝕のリ患状態の高い幼児ほど野菜嫌いであり, 咬合力が弱くなる. しかし野菜類の嗜好と咬合力との間には総計的に明確な関連は認あられなかった. なおこれらは5%以下の危険率で有意と認められた.
ISSN:0583-1199