A-12 重症心身障害児の歯口清掃についての調査

重症心身障害児についての研究は, 小児科領域においてはすでに数多くなされているが, 歯口に関するものは多くない. そこで, われわれは小児科医として, 重症心身障害児の歯口清掃はどのようであるかを知るために, 国立足利病院(重症心身障害児施設)の協力をえて調査してみた. 1. 調査対象および調査方法 調査対象は国立足利病院に入院している心身障害児(113名)であり, その内92名(80.5%)が, 文部省の「重症心身障害児」研究班の定義による重症心身障害児である. これらの患児について, 食事, 排泄, 入浴および口腔清拭などにつき調査し, この結果をタナック・セレクターを用いて集計し, 検討...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1978, Vol.16 (3), p.602-602
Hauptverfasser: 岡田太皓, 皆川公延
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:重症心身障害児についての研究は, 小児科領域においてはすでに数多くなされているが, 歯口に関するものは多くない. そこで, われわれは小児科医として, 重症心身障害児の歯口清掃はどのようであるかを知るために, 国立足利病院(重症心身障害児施設)の協力をえて調査してみた. 1. 調査対象および調査方法 調査対象は国立足利病院に入院している心身障害児(113名)であり, その内92名(80.5%)が, 文部省の「重症心身障害児」研究班の定義による重症心身障害児である. これらの患児について, 食事, 排泄, 入浴および口腔清拭などにつき調査し, この結果をタナック・セレクターを用いて集計し, 検討を行った. 2. 調査成糸責と考察 1)食事:食事の介助は, 重症心身障害児施設では看護者の労力を非常に消費するものであり, このような施設では看護者の1日の業務量のほぼ30%を占める. 本調査でも, 食事介助を必要とするものは90名(79.7%)もおり, その他の業務は大変制約されることになる. 2)排泄:排泄の自立への努力がなされているが, 93名(82.3%)が排泄介助を必要とし, おむつを使用している. 一般に重症心身障害児施設では, 排泄の介助は業務量の13%前後を占めるものであり, 1日の業務量のほぼ半分は食事と排泄の基本的な介助にについやされるものである. 3)入浴:ほんのわずかなものの外は介助を必要とする. 4)口腔清拭:全面介助を必要とするものは101名(89.4%), 部分介助を必要とするもの8名(7.1%)と介助を要するものは113名中109名もある. しかし, 看護者の1日の業務量のほぼ大半が食事と排泄などの基本的介助についやされ, 口腔清拭にまでなかなか手が廻わらないのが現状である.
ISSN:0583-1199