25 局所麻酔剤(シタネスト)皮内反応の検査結果について

無痛的な歯科治療を行うために, 局所麻酔は欠くことのできないものであるが, その合併症の一つに, 麻酔剤そのものに由来するアレルギー反応や中毒がある. 通常の使用量でも麻酔剤に敏感に反応して, ショック症状や中毒症状を示す特異体質の患者に対しては, 皮内反応テストが有効な検査方法だといわれている. 小児の歯科治療においては, 局所麻酔剤の使用が患児にとって初めての経験となることが多いので, 本学小児歯科外来ではアレルギー性疾患の既往の有無にかかわらず, 初診時の患児に皮内反応テストを行ってきた. その検査結果をまとめ, 報告した. 調査方法 対象は本学小児歯科外来を訪れた1歳6ヵ月から14歳ま...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1978, Vol.16 (2), p.397-398
Hauptverfasser: 塩見加寿子, 荻野昭夫, 木村興雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:無痛的な歯科治療を行うために, 局所麻酔は欠くことのできないものであるが, その合併症の一つに, 麻酔剤そのものに由来するアレルギー反応や中毒がある. 通常の使用量でも麻酔剤に敏感に反応して, ショック症状や中毒症状を示す特異体質の患者に対しては, 皮内反応テストが有効な検査方法だといわれている. 小児の歯科治療においては, 局所麻酔剤の使用が患児にとって初めての経験となることが多いので, 本学小児歯科外来ではアレルギー性疾患の既往の有無にかかわらず, 初診時の患児に皮内反応テストを行ってきた. その検査結果をまとめ, 報告した. 調査方法 対象は本学小児歯科外来を訪れた1歳6ヵ月から14歳までの小児353名で, アレルギー性疾患の既往がある者が197名, 既往のない者が156名であった. 保護者にアレルギー性疾患の既往と, 局所麻酔剤の使用経験を問診したのち, 塩酸プロピトカイン(シタネスト)注射液2%, 0.05mlを通常の方法にて, 前腕屈側部に皮内反応テストを行い, 15分, 30分, 60分, 24時間後に発赤部の計測を行った. 発赤部の縦径と横径の平均を成績とし, 各時間毎の平均直径と, その分布を求めた. なお, 対照として生理食塩水を用いた. 検査結果 1. 直径の平均値は, 既往あり, 既往なし, 各々の対照共に, 各時間毎にほぼ同じ値となり, いずれも15分後に最大値を示した後, 時間が経過するに従い, 減少する傾向を示した. 2. 検側と対照側との差も, 1と同様の傾向を示し, 差の大きさは既往あり, 既往なし共に0~2mmに多く24時間後には, 対照側>検側はなくなった. 3. 15分後の直径分布は, 検側で2.5~4mmが最も多く, 対照側で0~2mmが最も多かった. 4. 既往項目別では, 15分後平均直径は, 浸麻の経験あり, 体質に注意すべき患児が, やや大きな値を示す傾向があるように思われたが, 検査例数が少なかったため, 検討を要すると思われた.
ISSN:0583-1199