17 ラットの顎・顔面頭蓋の成長発育に関する研究 第三報 咬合の挙上による影響
先に我々は, 第一報, 第二報で, SD系ラットの正常発育に関し, その発育の時期や傾向について報告した. 今回は, 急激に生長しつつある, 生後28日前後, 体重約50gのSD系ラット雄を用い, 第三臼歯萠出以前の上顎左側臼歯群に, 正常な咬合状態より約2mm咬合が高くなるように, 金属製のクラウンを装着し, 片側性の咬合挙上を試みた. これらのラットは, 成長がほぼ一定となる生後9週間で屠殺し, 頭部X線規格写真の撮影を行った後, 乾燥頭蓋とし, 計測については, 第一報, 第二報と同じ部位を計測して, 正常ラットの値と比較検討を行った. その結果, 頭部X線規格写真の分析値では, 正常ラ...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1978, Vol.16 (2), p.393-394 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 先に我々は, 第一報, 第二報で, SD系ラットの正常発育に関し, その発育の時期や傾向について報告した. 今回は, 急激に生長しつつある, 生後28日前後, 体重約50gのSD系ラット雄を用い, 第三臼歯萠出以前の上顎左側臼歯群に, 正常な咬合状態より約2mm咬合が高くなるように, 金属製のクラウンを装着し, 片側性の咬合挙上を試みた. これらのラットは, 成長がほぼ一定となる生後9週間で屠殺し, 頭部X線規格写真の撮影を行った後, 乾燥頭蓋とし, 計測については, 第一報, 第二報と同じ部位を計測して, 正常ラットの値と比較検討を行った. その結果, 頭部X線規格写真の分析値では, 正常ラットとの間に有意差は認められなかった. 乾燥頭蓋の実測値では, 下顎歯槽骨骨体, および, 下顎切歯舌側歯頸部から顎関節までの距離が大きく, 正常ラットとの間に有意差が認められた. 歯列に関する計測では, 上顎第一臼歯の幅が正常値より小さな値を示し, 有意差が認められた. しかし今回の実験では, 顎・顔面頭蓋の形態を著しく変形させるような変化は, みられなかった. つまり成長の途上にあるラットでは, 2mm程度の咬合の挙上は, それに対応して, 各部の小さな変化, 例えば代償性変化などで, 咬合の変化に対処できたのではないかと考えられる. |
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ISSN: | 0583-1199 |