片側性先天性顔面神経麻痺の1症例-特に歯科的所見について
「緒言」顔面神経麻痺については, 1821年にBellが記載して以来数多くの報告があり, 小児においてさえかなりの報告をみる1~7). しかしながら, 先天性顔面神経麻痺についての報告は, 比較的数が少ない8~11). 顔面神経麻痺についての従来の報告は, ほとんどが診断と治療に関してのものであり, 顔面筋の諸機能が障害されたことによって生ずる顔面・顎・口腔系への影響についての報告は, みあたらない. そこで, 私たちはこのたび, 先天性末梢性と思われる左側顔面神経麻痺の1例に遭遇したので, 歯科的臨床所見を示し, それとともに, 顔面・顎・歯列の形態的・機能的発育状態について, 筋電図, 頭...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1977/12/25, Vol.15(3), pp.319-330 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」顔面神経麻痺については, 1821年にBellが記載して以来数多くの報告があり, 小児においてさえかなりの報告をみる1~7). しかしながら, 先天性顔面神経麻痺についての報告は, 比較的数が少ない8~11). 顔面神経麻痺についての従来の報告は, ほとんどが診断と治療に関してのものであり, 顔面筋の諸機能が障害されたことによって生ずる顔面・顎・口腔系への影響についての報告は, みあたらない. そこで, 私たちはこのたび, 先天性末梢性と思われる左側顔面神経麻痺の1例に遭遇したので, 歯科的臨床所見を示し, それとともに, 顔面・顎・歯列の形態的・機能的発育状態について, 筋電図, 頭部X線規格正貌写真および口腔模型により検討を加えたので報告する. 「症例」患児:羽○武(♂) 生年月日:昭和46年11月10日 初診日:昭和51年6月9日(4歳7ヵ月) 主訴:顔面・頬部の非対称 家族歴:3人兄弟であったが, 長男は生後4時間で出産異常のため死亡している. 両親(父38歳, 母34歳)および2歳3ヵ月の弟は健全である. その他, 特記すべき異常事項はない. 既往歴:患児の妊娠中に特記すべき異常はなかった. |
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ISSN: | 0583-1199 2186-5078 |
DOI: | 10.11411/jspd1963.15.3_319 |