38 仙台市北地区内保育園児の齲蝕罹患5年間の推移について(1)

昭和47年以来, 保育園児を対象として, 乳幼児の齲蝕罹患について調査を行ってきたが, 51年までの5年間で保育園児の齲蝕罹患にどのような変化が生じているかを知る目的で, これらの資料を分析し, 検討を加えた. 対象は仙台市北地区内の保育園に通園している1歳半から6歳5カ月までの園児で, 被検者数は47年度846名, 48年度712名, 49年度656名, 50年度670名, 51年度702名である. 診査は全て1人の検査者が行い, 自然光下でミラー並びにNo.9の探針を用いて齲蝕を検出した. 又, 被検者数が少ないので男女合わせて集計した. 齲蝕罹患者率に関しては, 全体としては, 年毎に,...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1977, Vol.15 (2), p.292-292
Hauptverfasser: 青山庸子, 神山紀久男, 南雲雅子, 真柳秀昭, 斉藤峻, 五十嵐公英, 新野正武, 塚田昇
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:昭和47年以来, 保育園児を対象として, 乳幼児の齲蝕罹患について調査を行ってきたが, 51年までの5年間で保育園児の齲蝕罹患にどのような変化が生じているかを知る目的で, これらの資料を分析し, 検討を加えた. 対象は仙台市北地区内の保育園に通園している1歳半から6歳5カ月までの園児で, 被検者数は47年度846名, 48年度712名, 49年度656名, 50年度670名, 51年度702名である. 診査は全て1人の検査者が行い, 自然光下でミラー並びにNo.9の探針を用いて齲蝕を検出した. 又, 被検者数が少ないので男女合わせて集計した. 齲蝕罹患者率に関しては, 全体としては, 年毎に, 減少の傾向が認められる. とくに, 低年齢群が著しく, 3歳児後半まで減少しているが, 4歳以後ではその差は殆んどなくなる. 1人平均dmf歯数についても, 全体として, 低年齢児での減少が見られ, 50年, 51年で特にその差が大きくあらわれているが, 5歳後半に達するとほぼ同じ価を示している. これは, 乳歯齲蝕の減少というよりはむしろ, 上記の発生時期が高齢化しつつある感をいだかせる. 次に, 低年齢児に見られる齲蝕罹患の減少が如何なる部位に見られるかを知るため, 上下前臼歯を4分割した4部位の齲蝕罹患について比較してみた. 上顎6前歯のdef歯率については, 全体として, 5歳前半で約60%とピークに達しており, 47年から51年に向かって経時的な減少のあることが示されている. 下顎前歯部についてもやはり, 51年になると, 4歳まではかなりの減少が見られるが, 4歳以降はどの年度もそれほど差はない. 従って, 齲蝕に罹患する年齢が上ってきている傾向があるといえる. 上顎臼歯部についてみても, 50年度, 51年度と低年齢群でやはり減少の傾向が見られる. 下顎臼歯部についてみても, 同じようなことがいえる. 次に, 処置についてみると, 処置者率に関しては, 3歳前半までの低年齢群ではあまり変化は認められないが, 3歳後半を過ぎると, 各年度で差はあるが, 著しい増加傾向が認められる. 健全処置歯数についても, 47年度が最も低く, その増加傾向は各年度とも, 3歳後半群以後に, とくに著明である. 47年度と51年度で比較してみると, 各年齢群とも, 51年度では2~3倍の増加が認められる.
ISSN:0583-1199