歯質と接着するレジン充填材"PALAKAV"の乳歯歯髄への影響(1)

「緒言」Tri-n-butyl borane誘導体を重合開始剤とするPALAKAVは, 象牙質と化学的結合をし, エナメル質にも物理的に接着する複合レジン系歯冠修復材である. 小児歯科臨床上, 歯質のうすい乳歯における応用価値は大きい1~4). PALAKAVと象牙質との接着力を増すためには, PALAKAVを窩洞に直接充填することが望ましい. またエナメル質との接着には燐酸および2-Hydoroxy ethyl Metacrylate(HEMA)で前処置することが必要である. 象牙質にHEMAを塗布すれば接着力が増すといわれている5). 一方, 窩洞形成時の歯髄障害に加え, MMA(メチル・...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1977/04/25, Vol.15(1), pp.9-18
Hauptverfasser: 長坂, 信夫, 城所, 繁, 加藤, 正憲, 西岡, 喜嗣, 榊原, 雅弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」Tri-n-butyl borane誘導体を重合開始剤とするPALAKAVは, 象牙質と化学的結合をし, エナメル質にも物理的に接着する複合レジン系歯冠修復材である. 小児歯科臨床上, 歯質のうすい乳歯における応用価値は大きい1~4). PALAKAVと象牙質との接着力を増すためには, PALAKAVを窩洞に直接充填することが望ましい. またエナメル質との接着には燐酸および2-Hydoroxy ethyl Metacrylate(HEMA)で前処置することが必要である. 象牙質にHEMAを塗布すれば接着力が増すといわれている5). 一方, 窩洞形成時の歯髄障害に加え, MMA(メチル・メタクリレート)系即時重合レジンであるPALAKAVについての歯髄への影響を考慮しなければならない. PALAKAVの歯髄への影響については, 永久歯6~10)および成犬歯牙など9,11~13)を対象に行われた報告がある. PALAKAVの歯髄への為害性は, ほとんど問題にならない6,8,11,13), もしあっても十分に治癒しうるものである7,10)といわれている. 一方では疑問を呈するもの9), 批判的なもの12)などがある. しかし, 乳歯歯髄に関する報告はほとんどないので, 幼犬乳歯を用いて, PALAKAVの乳歯歯髄への影響を検索したので報告する.
ISSN:0583-1199
2186-5078
DOI:10.11411/jspd1963.15.1_9