2 歯科施術に対する小児患者の情動変化と表性筋

小児患者は歯科施術に対し, その情動を身体全体で現わしているといってもいいすぎではない. これらの全身的変化を少しでも科学的に裏付ることができたらというのがこの実験の目的である. 一般に感情や情緒を全身的に表現する場合, 最も頻度が多く現われるのが表情筋であるといわれている. もちろん感情に伴う現象は多様であり, 殆んど無限といえるかもしれない. しかし, 高木は顔面筋の変化の量で情緒に次のような順位をつけている. 1)痛み, 2)驚き, 3)怒り, 4)激昂, 5)泣き叫び, 6)むかつき, 7)性的亢奮, 8)感情急変. そこで, 今度はこれらのうち痛みと歯科という関係を考えて, 表情筋を...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1976, Vol.14 (3), p.419-419
Hauptverfasser: 下岡正八, 宮本博一, 安島則子, 小原依子, 堀口美恵子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:小児患者は歯科施術に対し, その情動を身体全体で現わしているといってもいいすぎではない. これらの全身的変化を少しでも科学的に裏付ることができたらというのがこの実験の目的である. 一般に感情や情緒を全身的に表現する場合, 最も頻度が多く現われるのが表情筋であるといわれている. もちろん感情に伴う現象は多様であり, 殆んど無限といえるかもしれない. しかし, 高木は顔面筋の変化の量で情緒に次のような順位をつけている. 1)痛み, 2)驚き, 3)怒り, 4)激昂, 5)泣き叫び, 6)むかつき, 7)性的亢奮, 8)感情急変. そこで, 今度はこれらのうち痛みと歯科という関係を考えて, 表情筋を筋電図によって探って見た. しかし表情筋の多くは口腔の開閉によって多くの働きをすることが解った. そこで表情筋の中で口腔開閉に対し比較的反応の少ない部位をみつけた. それは前頭筋, 鼻根筋, 眼窩部眼輪筋, 皺眉筋, 眉下引筋などの一部が集まっていると思われる眉と眉の間で, この部位を筋電にて計測し, 抜歯, 生切, アマルガム充填などの歯科施術を行なった. その結果GSR, 僧帽筋の部位より計測した筋電図などと同じように反応し良好な結果を得たので報告した.
ISSN:0583-1199