象牙質内部吸収に関する研究 I. X線写真による観察
「緒言」小児歯科臨床において, X線写真診査で, 歯髄腔の一部が円形または卵円形に拡大している場合に遭遇することがある. このような変化は, 歯髄に対して障害を与えた場合によく起るとされている. しかし, う蝕がなく外見上異常がなくても起る場合がある. 一般に, これは歯髄組織の一部に限局性の肉芽組織の増殖が起り, 歯髄側の象牙質の吸収を生ずると言われ, 内部性肉芽腫または歯の内部吸収と言われている.1~14) とくに, 歯冠部に発生した場合は, 象牙質の吸収のため歯髄の脈管組織が, エナメル質を通してPink色に現われる. この現象をPink Spotと名付け多くの報告をみる.21~23)...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1974, Vol.12 (1), p.7-15 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」小児歯科臨床において, X線写真診査で, 歯髄腔の一部が円形または卵円形に拡大している場合に遭遇することがある. このような変化は, 歯髄に対して障害を与えた場合によく起るとされている. しかし, う蝕がなく外見上異常がなくても起る場合がある. 一般に, これは歯髄組織の一部に限局性の肉芽組織の増殖が起り, 歯髄側の象牙質の吸収を生ずると言われ, 内部性肉芽腫または歯の内部吸収と言われている.1~14) とくに, 歯冠部に発生した場合は, 象牙質の吸収のため歯髄の脈管組織が, エナメル質を通してPink色に現われる. この現象をPink Spotと名付け多くの報告をみる.21~23) 現在知られている報告は, ほとんど永久歯に現われるもので, 乳歯に対する報告は少ない.24~28) 乳歯の歯髄処置の一つである生活歯髄切断時, とくに水酸化カルシウム系糊剤を使用した場合に内部吸収が生じることはよく知られている.14-28) しかし, いまだにその象牙質内部吸収の詳細は不明確である. 今回の研究は, X線写真より乳歯の健全歯, 治療歯に内部吸収を認めたもの, また乳歯生活歯髄切断処置後の経過中に内部吸収を認めたものに対して検討したものである. |
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ISSN: | 0583-1199 |