34 モニターテレビの小児歯科臨床への応用

千葉県と東京の二ヶ所の診療所で子供の治療時にモニターテレビを使用し, 母親, 子供, 術者の反応をみた. 1. 母親にとって 136名の母親にアンケート用紙を渡し記入してもらった. 子供の治療中は, 母親は別室で, どんな場面でも, 治療のたびにテレビをみたいというのが圧倒的な意見だった. テレビをみたいという主な理由は, 治療の様子がわかるので安心, 治療後子供と話し合いができる, 治療の大変さがよくわかるので, 虫歯にしないよう喚起できる. 2. 子供にとって 自分がテレビに出るという感動で頑張る. 友達の受診態度をみて勇気づけられる. 母親がみててくれるという大きなはげましを得られる反面, はしゃぎ, ふざけることもある. 3. 術者にとって モニターテレビの利点 1. 母親や他の子供に邪魔されることなく, 治療の様子をある程度知らせることができる. 2. 治療に関する説明に便利で説得力があり, 親との話し合いがやりやすい. 3. 母親が治療の大変さをよくわかってくれるので非常に協力的になる. 4. 子供となかなか離れられない親を離しやすくできる. 5. 子供がラバーダム防湿法, X線撮影法等前もって見て知っているので恐怖感が減り, 操作しやすい. 6. 治療の導入がやりやすいことがある. 泣きさわいでいる子が自分が写っていることを知りおとなしくやらせることがある. 欠点 術者が見られているということに気を使わなければならない. この過剰意識は, スイッチを入れっぱなしにする方が軽減するようだ.