21 ヒトの乳歯生活歯髄切断法の病理組織学的検索
乳歯の生活歯髄切断後の覆髄剤としては, 水酸化カルシウム糊剤と酸化亜鉛ユージノールにフォルモクレゾールを加えた糊剤を用いる. いわゆるFC法がある. FC法は臨床的な成功率が高いという理由で, 次第に普及してきたが, その治癒状態は, まだ十分に知られていない. そこで, ヒトの乳歯54歯を用い, 歯髄切断後, 水酸化カルシウム糊剤貼薬28例, フォルモクレゾール糊剤26例について病理組織学的に検索を行い, 治癒過程の比較を試みた. 実験期間は, 水酸化カルシウム糊剤例は, 術後5日~545日, フォルモクレゾール糊剤貼薬は手術直後より189日までである. 一定期間後, 歯を抜去し, 脱灰後,...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1973, Vol.11 (2), p.232-232 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 乳歯の生活歯髄切断後の覆髄剤としては, 水酸化カルシウム糊剤と酸化亜鉛ユージノールにフォルモクレゾールを加えた糊剤を用いる. いわゆるFC法がある. FC法は臨床的な成功率が高いという理由で, 次第に普及してきたが, その治癒状態は, まだ十分に知られていない. そこで, ヒトの乳歯54歯を用い, 歯髄切断後, 水酸化カルシウム糊剤貼薬28例, フォルモクレゾール糊剤26例について病理組織学的に検索を行い, 治癒過程の比較を試みた. 実験期間は, 水酸化カルシウム糊剤例は, 術後5日~545日, フォルモクレゾール糊剤貼薬は手術直後より189日までである. 一定期間後, 歯を抜去し, 脱灰後, セロイジン切片を作製した. 染色は, ヘマトキシリンエオジン染色, アザン染色. チオニンピクリン酸染色を行った. その結果, 1)水酸化カルシウム糊剤貼薬28例中不良例8例, FC法26例中不良例3例であった. 2)水酸化カルシウム糊剤貼薬後の断髄面の庇蓋硬組織の基質の形成は術後5日のものに認められ, 以後, 層状に形成されるものが大部分である. 象牙質削片をとりまいて象牙瘤状に形成されるものは少なかった. 冠部歯髄切断後, 根管壁の硬組織の形成は術後日数が経過したものに認められた. 3)フォルモクレゾール糊剤においては歯髄切断面下の治癒状態には種々の治癒形態が認められた. 断髄面の庇蓋硬組織の形成は, 水酸化カルシウム糊剤のものに比較して少ない. 根管壁の硬組織の形成は水酸化カルシウム糊剤のものに比較し, 著しくみられました. 4)歯髄切断面下の歯髄所見は, 長期観察例において, フォルモクレゾール糊剤によるものは, 水酸化カルシウム糊剤のものに比較し, 細胞浸潤が長く存在する. 又, 萎縮, 変性, 繊維化の傾向が著しい. |
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ISSN: | 0583-1199 |