乳歯生活根管中間位歯髄切断法の臨床X線的研究
「緒言」乳歯齲蝕が蔓延している我国の現状において, 乳歯歯髄の感染範囲が一般に生活歯髄切断法の適応範囲とされている冠部歯髄に限局することなく根部歯髄の一部にまでも波及していると思われるような症例にしばしば遭遇する. このような乳歯においても, 歯根未完成乳歯の歯根形成, 乳歯歯根の生理的吸収などの特性を考慮し, しかも未だ完全な根管充填材の開発をみない現状では, 例え一部といえども可能な限り歯髄を保存するよう心掛けることが得策であると思われる. このような考えのもとに, 今回, 著者等は東京歯科大学小児歯科臨床において, 人間生活乳歯200例に対し, 水酸化カルシウム製剤“カルビタール”を応用...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1973/06/25, Vol.11(1), pp.78-83 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「緒言」乳歯齲蝕が蔓延している我国の現状において, 乳歯歯髄の感染範囲が一般に生活歯髄切断法の適応範囲とされている冠部歯髄に限局することなく根部歯髄の一部にまでも波及していると思われるような症例にしばしば遭遇する. このような乳歯においても, 歯根未完成乳歯の歯根形成, 乳歯歯根の生理的吸収などの特性を考慮し, しかも未だ完全な根管充填材の開発をみない現状では, 例え一部といえども可能な限り歯髄を保存するよう心掛けることが得策であると思われる. このような考えのもとに, 今回, 著者等は東京歯科大学小児歯科臨床において, 人間生活乳歯200例に対し, 水酸化カルシウム製剤“カルビタール”を応用し, 根管の中間位で生活歯髄切断法を実施し, これらを施術直後から932日間に亘って, 臨床的, X線的に詳細な経過観察を行なった結果, 興味ある知見を得たので, ここに報告する次第である. 「調査対象及び調査方法」1)調査対象は東京歯科大学小児歯科臨床を訪れた年令2才7ヵ月から9才0ヵ月までの小児患者58名の臨床的に健康歯, 齲蝕症第1度, 第2度または慢性潰瘍性歯髄炎と診断された生活乳前歯に対し, 水酸化カルシウム製剤“カルビタール”を応用して生活根管中間位歯髄切断法を実施した200歯である. 2)調査方法は生活根管中間位歯髄切断法を実施するに先立って, 術前の臨床診査, X線診査を詳細に行い, 術後も患者に可及的定期的に来院を求め, その都度, X線診査及び自他覚症状の有無並びにその経過, 消長などを詳細に観察, 記録した. |
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ISSN: | 0583-1199 2186-5078 |
DOI: | 10.11411/jspd1963.11.1_78 |