5 乳前歯の排列に関する研究(第I報)
近年, 乳歯といえども審美性への関心が高く, 特に乳前歯に対する可撤性保隙装置の自然感に対する要求は大きいように思われる. そこで我々は, 乳前歯配列に自然感を与えるための, 配列基準を設定すべく研究を行っている. 今回はその一環として, 小児の上顎乳前歯の捻転度について研究を行った. 資料は, 昭和47年6月~9月に, 東京都国立市における3才児検診において採得されたアルギン酸印象材による口腔内印象石膏模型中, 正常乳歯列と判定された50例を用いた. 計測に先立ち, 上顎模型の両側第2乳臼歯近心頬側咬頭頂および左側乳中切歯近心切縁の3点を含む平面を仮想し, これを咬合平面とよび, 計測の基準...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1972, Vol.10 (2), p.192-193 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 近年, 乳歯といえども審美性への関心が高く, 特に乳前歯に対する可撤性保隙装置の自然感に対する要求は大きいように思われる. そこで我々は, 乳前歯配列に自然感を与えるための, 配列基準を設定すべく研究を行っている. 今回はその一環として, 小児の上顎乳前歯の捻転度について研究を行った. 資料は, 昭和47年6月~9月に, 東京都国立市における3才児検診において採得されたアルギン酸印象材による口腔内印象石膏模型中, 正常乳歯列と判定された50例を用いた. 計測に先立ち, 上顎模型の両側第2乳臼歯近心頬側咬頭頂および左側乳中切歯近心切縁の3点を含む平面を仮想し, これを咬合平面とよび, 計測の基準面とした. 模型はすべて, 咬合平面と模型基底が平行になるように調整した. 次いで, 口蓋縫線の最も明瞭な部分の一点と切歯乳頭中央部の一点を黒点にて記入し, この2点を結んだ線を正中線とした. さらに歯牙については, 前歯切縁の唇舌的中央における近遠心2点を, また臼歯部は頬側咬頭頂を記入した. 次いで咬合平面に対して平行にLeitz社製, Aristophotを用いて, 1. 5倍の倍率で, ほぼ規格的に写真撮影し, 印画紙に密集した. その印画紙上で, 前歯各歯牙の近遠心2点を結んだ線が, 正中線と交わる角度をもって前歯の捻転角度とした. 結果は, 1)捻転の平均値は, 乳中切歯右側87. 3度, 左側85. 1度, 乳側切歯右側55. 4度, 左側54. 6度, 乳犬歯右側36. 7度, 左側32. 5度であった. 2)上顎乳側切歯における捻転角度の標準偏差は, 上顎乳中切歯, 乳犬歯における標準偏差と較べてやや大きく, ややばらつきが大きかった. 3)同名歯左右側間の相関は, 乳側切歯が最も高く(0. 69), 次いで乳中切歯(0. 59), 乳犬歯(0. 56)の順で, いずれも相関性が高かった. 4)同側歯間の相関は, 乳中切歯と乳側切歯の間にやや認められた. |
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ISSN: | 0583-1199 |