7 新しい充填材 "Palakav"の乳歯歯髄への影響(II)

演者らは第8回小児歯科学会総会において歯質と接着するといわれる新しいレジン充填材"Palakav"について発表した. 今回は動物を用いて病理組織学的に検討したので報告する. 実験材料は幼犬乳歯を用い, 唇面, 頬面に窩洞形成し, 裏装, 覆髄することなく, "Palakav"をクリーム状にて充填した. 一部の症例においてはMonomer 3分, HEMA 1分を充填前に貼布した. また露髄歯にも充填した. 対照として同一個体内反対側に燐酸亜鉛セメント充填を施した. 実験歯数は, "Palakav" 10歯, HEMA貼布例4歯, Mo...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1971, Vol.9 (2), p.220-220
Hauptverfasser: 城所繁, 榊原雅弘, 山本俊子, 加藤正憲, 長坂信夫, 岡本清纓
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:演者らは第8回小児歯科学会総会において歯質と接着するといわれる新しいレジン充填材"Palakav"について発表した. 今回は動物を用いて病理組織学的に検討したので報告する. 実験材料は幼犬乳歯を用い, 唇面, 頬面に窩洞形成し, 裏装, 覆髄することなく, "Palakav"をクリーム状にて充填した. 一部の症例においてはMonomer 3分, HEMA 1分を充填前に貼布した. また露髄歯にも充填した. 対照として同一個体内反対側に燐酸亜鉛セメント充填を施した. 実験歯数は, "Palakav" 10歯, HEMA貼布例4歯, Monomer貼布例 歯, 対照11歯, 露髄歯においては, "Palakav" 9歯, 対照7歯の計46歯である. 実験期間は7~28日. 固定はヘパリン加生理食塩水で還流後に, 10%中性ホルマリン食塩水を100~120mmHgの圧力で注入して行った. 脱灰後セロイジン切片を作成し, 各種染色を施した. 結果として, "Palakav"充填歯は, 対照とした燐酸亜鉛セメント充填歯と比較して次のような結果を得た. 1. 病理成績は, 露髄を認めない時には優っていた. 2. 窩洞下の残存象牙質の薄い場合には, 炎症症状を認めるが, 対照と比較すれば少ないと思われる. 3. Monomer 3分貼布例において, 特に網様萎縮を認めた. 4. 窩洞下の歯髄に象牙質添加を認めない症例が多く認められた. 5. 露髄例に全部性の壊死を認めた.
ISSN:0583-1199