29 保隙装置応用によるセメントラインの変化について
燐酸亜鉛セメントの溶解性について基礎的には種々の実験が行なわれているが, セメントラインが日時の経過とともに, どのようにどの程度消失していくかについては, 未だほとんど研究がなされていない. そこでこの点を追求する目的で本実験を行なった. 研究方法は上顎中切歯の唇面に, 縦3mm, 横4mmの窩洞を形成した. ついでインレーを作製し合着した. セメント硬化後, 表面が可及的平担となるように試料を研磨し, この試料20コを20人の小児の可撤性保隙装置に固定し, 3ヵ月間装着させた. 3ヵ月経過後, 試料を保隙装置より取りはずし, ポリエステル系樹脂に包埋し硬化後, 試料を縦断し計測を行なった....
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1970, Vol.8 (2), p.127-128 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 燐酸亜鉛セメントの溶解性について基礎的には種々の実験が行なわれているが, セメントラインが日時の経過とともに, どのようにどの程度消失していくかについては, 未だほとんど研究がなされていない. そこでこの点を追求する目的で本実験を行なった. 研究方法は上顎中切歯の唇面に, 縦3mm, 横4mmの窩洞を形成した. ついでインレーを作製し合着した. セメント硬化後, 表面が可及的平担となるように試料を研磨し, この試料20コを20人の小児の可撤性保隙装置に固定し, 3ヵ月間装着させた. 3ヵ月経過後, 試料を保隙装置より取りはずし, ポリエステル系樹脂に包埋し硬化後, 試料を縦断し計測を行なった. 計測は1つの試料で4ヵ所行ない, その計測は縦断研磨面におけるインレー体と窩洞とのセメント層の巾及び金属或は歯牙の面よりのセメントの崩壊した最深部までの距離について行なった. これをもってセメントラインの崩壊度とした. 更に対照としては5個の試料を作製し口腔内に装着することなく直ちに樹脂に埋没し, その後は口腔内装着例と同様に縦断標本を作製し計測を行なった. セメントラインは対照においては平均2μ規準の歯牙或はインレー体より上方にあり, 3ヵ月装着例においては規準面より最高240μ, 最低5μで平均59μ下方にあった. 以上からセメントラインは口腔内装着3ヵ月後において対照例と比較したとき, 崩壊消失していることがわかった. しかし本実験の結果からはセメントラインの巾と崩壊度の間には明確なる相関性があるとはいいがたかった. 「質問」宮下貞夫(日歯大・小児):セメント練和の条件はどのようにいたしましたか 「回答」宇留賀勝(東歯大・小児)使用書に従って, 標準稠度となるよう粉末1.6g, 液0.5ccの割合で三分割法にて練和しました. |
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ISSN: | 0583-1199 |