象牙質形成不全症(Dentinogenesis Imperfecta)の1症例について

「緒言」 象牙質形成不全症(Dentinogenesis imperfecta)はTalbot1)が1893年に初めて報告したものといわれているが, それ以来欧米では本症に関する多数の報告があつて, その特徴もかなり明確になつている. しかし, わが国における報告は少なく, 骨形成不全症にみられた随伴症候としての報告2, 3)と, 象牙質形成不全症としての倉繁ら4)の報告があるにすぎない. 本症はHereditary opalescent dentinとも呼ばれていたが, RobertsとSchour5)によりDentinogenesis imperfectaと呼ぶのが適当であるとされて以来,...

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Veröffentlicht in:小児歯科学雑誌 1969/06/01, Vol.7(1), pp.72-78
Hauptverfasser: 藤井, 信雅, 木村, 興雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」 象牙質形成不全症(Dentinogenesis imperfecta)はTalbot1)が1893年に初めて報告したものといわれているが, それ以来欧米では本症に関する多数の報告があつて, その特徴もかなり明確になつている. しかし, わが国における報告は少なく, 骨形成不全症にみられた随伴症候としての報告2, 3)と, 象牙質形成不全症としての倉繁ら4)の報告があるにすぎない. 本症はHereditary opalescent dentinとも呼ばれていたが, RobertsとSchour5)によりDentinogenesis imperfectaと呼ぶのが適当であるとされて以来, 主にこの名称が用いられている. 本症は特異的に象牙質の形成が障害される疾患であるが, 骨形成不全症(Osteogenesis imperfecta)の場合にも本症と全く同様の変化がみられる場合が少なくないことが知られている. 今回著者らは東京医科歯科大学小児歯科外来を訪れた3才の女児に, 軽度の骨形成不全症を併発した乳歯の象牙質形成不全症の1症例を経験したので報告する.
ISSN:0583-1199
2186-5078
DOI:10.11411/jspd1963.7.1_72