5. 第1大臼歯の萌出過程に関する研究 (第1報)
第1大臼歯がどんな過程を経て口腔内に萌出するのか, またその萌出過程が周囲の顎骨の成長変化とどのような関連性をもっているのかを知ることは, 小児歯科の臨床においてきわめて意義のあることである. しかしこれに関する報告は未だ十分なものがないようである. そこで私は, 第1大臼歯の萌出過程と, その周囲の顎骨の発育変化を高さ, 深さおよび幅の3方向から調査し, それらの間の関連性を検討しているが, 今回は第1報として, 下顎第1大臼歯とその周囲の下顎骨各部の高さの方向への発育変化について調査し, それらの発育過程における傾向, およびそれら相互間の関連性について検討した. 資料は東京医科歯科大学小...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1967, Vol.5 (1), p.119-119 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 第1大臼歯がどんな過程を経て口腔内に萌出するのか, またその萌出過程が周囲の顎骨の成長変化とどのような関連性をもっているのかを知ることは, 小児歯科の臨床においてきわめて意義のあることである. しかしこれに関する報告は未だ十分なものがないようである. そこで私は, 第1大臼歯の萌出過程と, その周囲の顎骨の発育変化を高さ, 深さおよび幅の3方向から調査し, それらの間の関連性を検討しているが, 今回は第1報として, 下顎第1大臼歯とその周囲の下顎骨各部の高さの方向への発育変化について調査し, それらの発育過程における傾向, およびそれら相互間の関連性について検討した. 資料は東京医科歯科大学小児歯科外来を訪れた満3才から満6才までの小児195名である. その各個体の出生年月日に合わせて撮影したlateralと左側のobliqueの頭部X線規格写真を用いた. そしてこれらを計測, 分析して次のような結果を得た, 1)下顎第1大臼歯の萌出は, 常に女子が男子よりも先行している. 2)下顎第1大臼歯の萌出速度は, 男女共, 5才から5才半頃, すなわちその石灰化度が歯根の1/4以上の形成期に入ると急速になる. またその傾向は, 骨胞下縁においても同様である. 3)この傾向は, 石灰化度を尺度として評価した場合には, 暦令を尺度とした場合よりも一層明瞭となる. 4)本研究の観察期間内では, 下顎頭と骨体部歯槽骨縁の高さは, ほぼ一定の速度で, わずかずつ増加してゆくが, 下顎第1大臼歯にみられるような萌出傾向とは関連性をもたないようである. 5) しかし, 下顎第1大臼歯遠心部の歯槽骨縁の高さだけは, 相対的に減少している. これは下顎第1大臼歯の萌出に関与する顎骨変化の1つであろうと考えられる. |
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ISSN: | 0583-1199 |