11. Oblique cephalometric filmの小児歯科学的利用(第1報)
小児歯科学領域において, 顔面頭蓋の成長発育に関する研究は特に必要なことであり, その追求には頭部X線規格写真がより有効な手段である. Oblique cephalometryは, 1954年CartwrightとHarvoldにより紹介され, 1955年Posenにより下顎骨体の垂直の高さを測る手段として用いられた. Oblique cephalometryとは普通に用いられる頭部X線規格写真の撮影を全く同じ条件下で, フランクフルト水平面を保ちながらフイルム面に対して頭の正中矢状面を45度の角度に置き撮影するものであり, フイルム面は中心X線軸に対して普通の方法と同じ垂直の関係に置かれる....
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1964, Vol.2 (1), p.63-63 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 小児歯科学領域において, 顔面頭蓋の成長発育に関する研究は特に必要なことであり, その追求には頭部X線規格写真がより有効な手段である. Oblique cephalometryは, 1954年CartwrightとHarvoldにより紹介され, 1955年Posenにより下顎骨体の垂直の高さを測る手段として用いられた. Oblique cephalometryとは普通に用いられる頭部X線規格写真の撮影を全く同じ条件下で, フランクフルト水平面を保ちながらフイルム面に対して頭の正中矢状面を45度の角度に置き撮影するものであり, フイルム面は中心X線軸に対して普通の方法と同じ垂直の関係に置かれる. Oblique cephalometryの最大の利点は, 下顎骨の左右の側面が重なることなく別々に映写することができ, しかもフイルム面に対して下顎骨の側面が最も近く平行になるために映像の歪みが少ない. そして同一条件下で行なわれるいわゆる規格写真であるために, 個成長の累年的な観察が可能である. このことは咬合調整やPramolar Wanderungなど, 歯牙の交換で最も複雑な要素を含んでいる下顎側方臼歯群の個成長の研究に特に適しているものと思われる. Oblique cephalometryを用いて同一個体の累年的観察を行なう場合, 厳密に同一条件下で撮影されなければならない. 多くの場合その誤差の原因は, head-holderの装置の中で頭の位置が気まぐれになっていることである. そのため左右のイヤロットの固定の他に, フランクフルト水平面が厳密に決定された状態で撮影されなければならない. 現在, 本学病院矯正科及び小児歯科に来院している患者のうち3才から11才までの小児を対象とし, 約3ヵ月間隔でこのOblique cephalometryを撮影し累年的観察を行なつているが, 特に下顎側方臼歯群にける永久歯交換の複雑な機序, その他の多くの問題を検索したいと思い, 今回はその第I報としてOblique cephalometric filmの小児歯科学的利用に際し, 研究方法並びにその資料について報告しこの研究の予報とする. |
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ISSN: | 0583-1199 |