がん診療領域におけるDual-Energy CTの活用

「要旨」 CT技術の進化として, 近年Dual-Energy CT (DECT)の実用化が進んできた. 2種類の異なるX線エネルギー照射データを解析することで従来のCT値のみによる診断ではなく, 任意のX線エネルギーをretrospectiveに計算する仮想単色X線画像や物質密度や実効原子番号などマルチパラメーターによる診断を可能とする技術である. 低エネルギーレベルの仮想単色X線画像では低管電圧CTと同様にヨード造影剤コントラストの増強がみられ病変検出能の向上に有用である. 物質密度画像や物質弁別画像では任意の基準物質対を選択することで, 特定の物質を強調したり抑制したりすることが可能である...

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Veröffentlicht in:県立がんセンター新潟病院医誌 2021-03, Vol.60 (1), p.31-37
Hauptverfasser: 大井博之, 佐々木雄樹, 関裕史
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」 CT技術の進化として, 近年Dual-Energy CT (DECT)の実用化が進んできた. 2種類の異なるX線エネルギー照射データを解析することで従来のCT値のみによる診断ではなく, 任意のX線エネルギーをretrospectiveに計算する仮想単色X線画像や物質密度や実効原子番号などマルチパラメーターによる診断を可能とする技術である. 低エネルギーレベルの仮想単色X線画像では低管電圧CTと同様にヨード造影剤コントラストの増強がみられ病変検出能の向上に有用である. 物質密度画像や物質弁別画像では任意の基準物質対を選択することで, 特定の物質を強調したり抑制したりすることが可能である. ヨード密度画像や仮想単純画像, 脂肪成分の検出および石灰化の抑制などを行うことができ, 従来とは異なった診断アプローチが可能となってきている. 本稿ではがん診療領域を中心にDECT活用の現状について概説する.
ISSN:0549-4788