トータルケア病棟 (地域包括ケア病棟) 運用における地域連携・相談支援センターの役割と課題

「要旨」2014年厚労省は, 地域包括ケアシステムの構築を推進し, 2025年を目途に高齢者の尊厳の保持と自立支援の目的のもとで可能な限り住みなれた地域で療養し, 自分らしい生活を人生の最期まで続けることができるよう, 地域の包括的な支援サービス提供体制の構築を推進した. 2016年4月の診療報酬改定では, 在宅復帰への更なる取り組みとし, 退院支援に関する評価が大きく見直された. 当病院においては, 2015年度より在宅復帰に向けた支援病棟の必要性を考え, 病棟再編について議論を重ねてきた. 更にがん患者の増加や高齢者のがん患者が増えると予測されるなか, がんの急性期治療から緩和医療在宅への...

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Veröffentlicht in:県立がんセンター新潟病院医誌 2017-03, Vol.56 (1), p.25-29
1. Verfasser: 長岡敦子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」2014年厚労省は, 地域包括ケアシステムの構築を推進し, 2025年を目途に高齢者の尊厳の保持と自立支援の目的のもとで可能な限り住みなれた地域で療養し, 自分らしい生活を人生の最期まで続けることができるよう, 地域の包括的な支援サービス提供体制の構築を推進した. 2016年4月の診療報酬改定では, 在宅復帰への更なる取り組みとし, 退院支援に関する評価が大きく見直された. 当病院においては, 2015年度より在宅復帰に向けた支援病棟の必要性を考え, 病棟再編について議論を重ねてきた. 更にがん患者の増加や高齢者のがん患者が増えると予測されるなか, がんの急性期治療から緩和医療在宅への支援を行う地域包括ケア病棟開設への検討が行われた. その結果, 2016年10月1日「トータルケア病棟」とし地域包括ケアを支える役割を担う病棟が開設した. これら病棟再編の準備に地域連携・相談支援センター (レインボープラザ) も委員として参加したことで, 有意義な意見交換を行うことができた. レインボープラザにおいては, がんの専門的治療を行う高度急性期医療をより充実させる一方で, がんのトータルサポートの充実を図ることが大切であることから, 院内多職種との連携や地域の医療, 介護施設, 訪問介護事業者の枠を超えた様々な人々との連携を行うコーディネーターとしての役割を担う必要がある. 患者や家族が安心して在宅療養を送るためには, 院内外の多職種との連携と協働が必要である. トータルケア病棟 (地域包括ケア病棟) の円滑な運用が求められるなか, 今回の具体的な取り組みから課題を明らかにする.
ISSN:0549-4788