免疫チェックポイント阻害薬による内分泌代謝分野有害事象とその対策

「要旨」免疫チェックポイント阻害薬による内分泌代謝分野の有害事象として, 2016年秋までに劇症1型糖尿病を1例, 甲状腺機能異常症と下垂体炎による副腎クリーゼをそれぞれ数例経験した. これらの経験を基に, 劇症1型糖尿病の早期発見のために尿糖テステープ使用を, 甲状腺機能異常症, 下垂体炎の早期診断のために治療開始前の抗TPO抗体, 抗Tg抗体検査の徹底と, 毎回のTSH, FreeT4, cortisolの午前中の測定を開始した. この対策開始後, cortisol低下から補充療法を開始し, 副腎クリーゼを回避できた症例を経験した. 「はじめに」がん免疫療法は抗PD-1抗体薬 (ニボルマブ...

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Veröffentlicht in:県立がんセンター新潟病院医誌 2017-03, Vol.56 (1), p.1-7
Hauptverfasser: 谷長行, 大山泰郎, 三浦理, 庄子聡, 小山建一, 野嵜幸一郎, 田中洋史, 佐々木俊哉, 石黒卓朗, 高塚純子, 竹之内辰也, 小林和博, 磯貝佐知子, 吉野真樹, 津田美和
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」免疫チェックポイント阻害薬による内分泌代謝分野の有害事象として, 2016年秋までに劇症1型糖尿病を1例, 甲状腺機能異常症と下垂体炎による副腎クリーゼをそれぞれ数例経験した. これらの経験を基に, 劇症1型糖尿病の早期発見のために尿糖テステープ使用を, 甲状腺機能異常症, 下垂体炎の早期診断のために治療開始前の抗TPO抗体, 抗Tg抗体検査の徹底と, 毎回のTSH, FreeT4, cortisolの午前中の測定を開始した. この対策開始後, cortisol低下から補充療法を開始し, 副腎クリーゼを回避できた症例を経験した. 「はじめに」がん免疫療法は抗PD-1抗体薬 (ニボルマブ, 商品名 : オプジーボ) が2014年に悪性黒色腫への保険適応が認められ, その後の2015年12月の切除不能な非小細胞性肺癌への適応拡大を機に一気に使用症例が増した. これに伴い, 今までのがん治療では経験したことの無い自己免疫性機序に基づく副作用を経験することになった.
ISSN:0549-4788