Helicobacter pylori感染と胃がん
「はじめに」Robin Warren(1937-)とBarry Marshall(1951-)による「Helicobacter pylori(H.pylori)の発見と胃炎や胃潰瘍における役割の解明」が評価され, 2005年のノーベル医学生理学賞を受賞した. 2003年にも候補に上がったが, 今回は胃癌予防の可能性も評価されての受賞にH.pyloriの研究に携わってきたひとりとして喜んでいる. 1983年に発見されたH.pyloriは, 上部消化管疾患の病態生理に対する概念を根底から変えたのみでなく, 実際の診療にも劇的な変革をもたらした. 消化性潰瘍に対する除菌療法は再発の不安から出血や穿孔...
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Veröffentlicht in: | 県立がんセンター新潟病院医誌 2006-09, Vol.45 (2), p.59-66 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」Robin Warren(1937-)とBarry Marshall(1951-)による「Helicobacter pylori(H.pylori)の発見と胃炎や胃潰瘍における役割の解明」が評価され, 2005年のノーベル医学生理学賞を受賞した. 2003年にも候補に上がったが, 今回は胃癌予防の可能性も評価されての受賞にH.pyloriの研究に携わってきたひとりとして喜んでいる. 1983年に発見されたH.pyloriは, 上部消化管疾患の病態生理に対する概念を根底から変えたのみでなく, 実際の診療にも劇的な変革をもたらした. 消化性潰瘍に対する除菌療法は再発の不安から出血や穿孔による多くの死亡まで人類を救っただけでなく, さらに組織学的胃炎の改善から過形成性ポリープや胃MALTリンパ腫が消失することまで確かとなった. 1990年代になると胃癌の発生にも深く関与していることが明らかとなってきた. 最近は除菌治療によって胃癌の予防が可能か検討され, 少なくとも発癌の抑制が期待されている. |
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ISSN: | 0549-4788 |