複数回の人間ドック心電図で検出された陰性T波Q波を伴う心筋梗塞および急死例での発症前のリスク要因
目的:複数回の人間ドック健診で検出された異常Q波を伴う新規心筋梗塞(myocardial infarction: MI)および心臓急死例の発症前のリスク要因について検証した.対象と方法:対象は,2018年4月より2021年3月の期間中,人間ドック健診受診者10,487例(男性7,242例,女性3,245例)の心電図(ECG)で陰性T波を伴う異常Q波が記録された78例中,過去3年間の時系列記録より正常波形が確認された新規MI 11例(男性10例,女性1例,平均62歳)と心臓急死1例である.発症前に心電図非同期胸部CT(胸部CT)が撮像されていた新規MI 4例(男性3名,女性1名,平均69歳)と心...
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Veröffentlicht in: | 人間ドック 2023, Vol.38(4), pp.571-579 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:複数回の人間ドック健診で検出された異常Q波を伴う新規心筋梗塞(myocardial infarction: MI)および心臓急死例の発症前のリスク要因について検証した.対象と方法:対象は,2018年4月より2021年3月の期間中,人間ドック健診受診者10,487例(男性7,242例,女性3,245例)の心電図(ECG)で陰性T波を伴う異常Q波が記録された78例中,過去3年間の時系列記録より正常波形が確認された新規MI 11例(男性10例,女性1例,平均62歳)と心臓急死1例である.発症前に心電図非同期胸部CT(胸部CT)が撮像されていた新規MI 4例(男性3名,女性1名,平均69歳)と心臓急死1例については,冠動脈疾患発症前のリスク要因を検討した.結果:MI発症前では,治療歴(高血圧7例,糖尿病7例),BMI 24.7±2.6,収縮期血圧146±10mmHg,LDL-C 143±35mg/dL,2合以上の飲酒歴(1/11),吹田予測指標(Suita score)は55.5±6.5,10年間の冠動脈疾患発症確率は8.1±4.5であった.MI発症前に胸部CTを撮像していた4例では,心電図異常Q波より推定されるMI部位と関連する冠動脈領域に輝度増加(石灰化)と大動脈領域の一部にも石灰化を認めた.MI発症前の状況を問診し得た2名では,発症前に不規則な食生活や就業上のストレスがあった.心臓急死例ではLDL-C 188mg/dLと高値で未治療,前年度の胸部CTで主要冠動脈3枝に中等度の石灰化を認めた.結論:MIおよび急死例では,高血圧,糖尿病,LDL-Cが高値(一部,未治療)であり,胸部CTによる冠動脈や大動脈などの石灰化病変の存在は高リスクと考えられた. |
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ISSN: | 1880-1021 2186-5027 |
DOI: | 10.11320/ningendock.38.571 |