頚動脈エコー検査の横断的,縦断的検討

目的:頚動脈エコー検査の横断的,縦断的検討を行う.方法:頚動脈エコー判定について,正常群(A),1.1mm以上のIMT(内膜中膜複合体肥厚)や頚動脈比20%未満のプラーク形成を認める群(B),頚動脈比20%以上のプラーク形成を認める群(C)の3群に分類し,関連因子につき多変量解析を用いて探索した.また,過去と現在のエコー所見の変化を改善群,無変化群,悪化群に分け,説明変数の検査値の差を算出して両者の関連を統計学的に検討した.結果:A,B,C群の相関比では,年齢,性別,腹囲,収縮期血圧,クレアチニン,HDL-C,LDL-C,FPGに有意差を認めた.A群とB+C群の2群間での多変量解析による検討で...

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Veröffentlicht in:人間ドック 2020, Vol.34(5), pp.710-717
Hauptverfasser: 北川, 達士, 船橋, 一真
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:目的:頚動脈エコー検査の横断的,縦断的検討を行う.方法:頚動脈エコー判定について,正常群(A),1.1mm以上のIMT(内膜中膜複合体肥厚)や頚動脈比20%未満のプラーク形成を認める群(B),頚動脈比20%以上のプラーク形成を認める群(C)の3群に分類し,関連因子につき多変量解析を用いて探索した.また,過去と現在のエコー所見の変化を改善群,無変化群,悪化群に分け,説明変数の検査値の差を算出して両者の関連を統計学的に検討した.結果:A,B,C群の相関比では,年齢,性別,腹囲,収縮期血圧,クレアチニン,HDL-C,LDL-C,FPGに有意差を認めた.A群とB+C群の2群間での多変量解析による検討では,年齢,性別,収縮期血圧,HDL-C,LDL-Cに有意差を認め,年齢の標準偏回帰係数は1.02と際立って高かった.A+B群とC群の多変量解析では,年齢と性別以外に有意差はなかったが,C群にFPGが高い傾向を認めた.エコー所見の経時的な変化と説明変数の検査値の差をCox比例ハザードモデルで検討したところ,クレアチニンの増加とBMIの減少が所見の悪化に関連していた.結論:頚動脈エコーの動脈硬化所見は加齢の影響が大きく,異常所見の検出には脂質異常症や血圧が関連していた.また,プラークの増大には耐糖能異常のかかわりが示唆された.経時的なエコー所見の変化を調べたところ,悪化群ではクレアチニン値の上昇とBMIの減少が関連しており,これらの変化に注意すべきと思われた.
ISSN:1880-1021
2186-5027
DOI:10.11320/ningendock.34.710