傾向スコアを用いた特定保健指導の長期的な検査値改善効果の検証
「要約」目的:制度開始から10年が経過した特定保健指導の長期的な因果効果の評価を目的に, 6年後までの検査値改善効果を検証した. 方法:2008~2010年度の積極的支援利用者2,152人を介入群, 未利用者6,523人を対照群とした計8,675人を6年後まで追跡した. 傾向スコアマッチングによる共変量調整を行い, まず, 積極的支援利用者全体の検査値改善効果を検証し, 次に, 1年後の体重変化量別の効果を検証した. 傾向スコアは, 特定健診の全項目を共変量としたロジスティック回帰により推定し, 介入群1人に対して傾向スコアが最も近い対照群2人をマッチングして検査値の群間差を比較した. 体重変...
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Veröffentlicht in: | 人間ドック 2018, Vol.33 (5), p.683-693 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「要約」目的:制度開始から10年が経過した特定保健指導の長期的な因果効果の評価を目的に, 6年後までの検査値改善効果を検証した. 方法:2008~2010年度の積極的支援利用者2,152人を介入群, 未利用者6,523人を対照群とした計8,675人を6年後まで追跡した. 傾向スコアマッチングによる共変量調整を行い, まず, 積極的支援利用者全体の検査値改善効果を検証し, 次に, 1年後の体重変化量別の効果を検証した. 傾向スコアは, 特定健診の全項目を共変量としたロジスティック回帰により推定し, 介入群1人に対して傾向スコアが最も近い対照群2人をマッチングして検査値の群間差を比較した. 体重変化量別の検証では, 介入群を体重変化量で1%以上増, ±1%未満, 1~2%減, 3~4%減, 5~6%減, 7%以上減の6群に分け, 群毎に対照群を1対2でマッチングして群間差を比較した. 検査値は体重, 腹囲, 血圧, 糖代謝, 脂質, 肝機能検査を対象とした. 結果:積極的支援利用者全体では, 体重, 腹囲, 血圧, 血糖, HbA1c, 中性脂肪が6年後, HDL-Cが5年後, ALTが4年後, γ-GTPが3年後, ASTが2年後, LDL-Cが1年後まで有意な改善効果を認めた. 1年後の体重変化量別の検証では, 3~4%減で1~2年後, 5~6%減で3~4年後, 7%以上減で5~6年後の有意な検査値改善効果を認めた. 結論:検査値によって改善効果の持続期間が異なること, 1年後の体重減少量が大きいほど長期的な検査値改善効果が得られることを明らかにした. |
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ISSN: | 1880-1021 |