人間ドック健診における血清TSH測定の検討
目的:甲状腺疾患は内分泌代謝疾患の中で糖尿病に次ぐ高頻度の疾患であるが,健診に取り入れている施設は少ない.近年,潜在性甲状腺機能低下症が議論され,日本甲状腺学会では臨床重要課題としている.甲状腺機能障害を早期診断・治療する目的でドック健診に血清甲状腺刺激ホルモン(TSH)測定を導入した. 方法:対象は2005年度受診者(男10,330名,女6,334名)で,TSH値はCLIA法で測定.血清TSH高値・低値例の性別・年齢別検討,TSH異常者の二次健診受診率と当院精査例の疾病分析を行った. 結果:平均年齢は,男52.2歳,女51.5歳で,血清TSH基準値は0.36~3.67 (男0.35~3.31...
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Veröffentlicht in: | 人間ドック 2009, Vol.24(4), pp.885-890 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:甲状腺疾患は内分泌代謝疾患の中で糖尿病に次ぐ高頻度の疾患であるが,健診に取り入れている施設は少ない.近年,潜在性甲状腺機能低下症が議論され,日本甲状腺学会では臨床重要課題としている.甲状腺機能障害を早期診断・治療する目的でドック健診に血清甲状腺刺激ホルモン(TSH)測定を導入した. 方法:対象は2005年度受診者(男10,330名,女6,334名)で,TSH値はCLIA法で測定.血清TSH高値・低値例の性別・年齢別検討,TSH異常者の二次健診受診率と当院精査例の疾病分析を行った. 結果:平均年齢は,男52.2歳,女51.5歳で,血清TSH基準値は0.36~3.67 (男0.35~3.31,女0.41~4.16)μU/mlであり,女性が高値であった.TSH値0.1μU/ml未満の頻度は,男0.5%,女1.0%と女性に多く,高齢になるほど減少.TSH値5.0以上も,男1.3%,女1.7%と女性に多く,男女とも年齢とともに増加.当院精査例から本集団の疾病頻度を推定すると,TSH低値例はバセドウ病と無痛性甲状腺炎ともに男0.19%,女0.45%で,TSH高値例は顕性機能低下症が男0.56%,女0.55%,潜在性機能低下症は男0.41%,女0.69%であった.TSH高値例での橋本病の割合は,男38.5%,女61.1%であった.また精査時にTSH正常化例を25.4%に認めた. 結論:精査・治療を要する頻度が男性1.8%,女性2.7%と高いこと,甲状腺機能を検査しない限り診断されない例も多いことより,ドック健診での血清TSH測定は有用と考えた. |
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ISSN: | 1880-1021 2186-5027 |
DOI: | 10.11320/ningendock.24.885 |