肺癌検診の課題と展望‐今なぜ低線量CT肺癌検診なのか?

肺癌は, 男性では1993年に, 男女合計では1998年に癌死亡トップの座に躍り出て年々増え続け, 2007年における年間死亡者数は65,576人に達し現在も増加を続けている. 一次予防たる禁煙は, 十数年に亘る草の根的運動と健康増進法施行により喫煙抑制効果を生みつつあるが, 我が国の成人に占める喫煙率は, 2008年5月で男性39.5%, 女性12.9%, 男女合計では25.7%と欧米に比して未だ高い. 喫煙関連の発癌は喫煙開始後数十年を経て現出するので, 現時点における喫煙者の減少が肺癌死亡減少へと繋がる変化は20~30年後に実現すると推定されており, その間における肺癌死亡抑制策は早期診...

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Veröffentlicht in:人間ドック 2009-03, Vol.23 (5), p.1003-1004
1. Verfasser: 瀧澤弘隆
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:肺癌は, 男性では1993年に, 男女合計では1998年に癌死亡トップの座に躍り出て年々増え続け, 2007年における年間死亡者数は65,576人に達し現在も増加を続けている. 一次予防たる禁煙は, 十数年に亘る草の根的運動と健康増進法施行により喫煙抑制効果を生みつつあるが, 我が国の成人に占める喫煙率は, 2008年5月で男性39.5%, 女性12.9%, 男女合計では25.7%と欧米に比して未だ高い. 喫煙関連の発癌は喫煙開始後数十年を経て現出するので, 現時点における喫煙者の減少が肺癌死亡減少へと繋がる変化は20~30年後に実現すると推定されており, その間における肺癌死亡抑制策は早期診断早期治療による二次予防策しかなく, 有効な肺癌検診に頼らざるを得ない状況である. 1970~1980年代にNCIが主導して行った有名なMayo Lung Projectなどの無作為化比較試験は, 全てが検診による肺癌死亡減少効果の証明に失敗し, その後の世界的趨勢は肺癌検診を対策型として取り入れない方向に向かった.
ISSN:1880-1021