胃十二指腸疾患におけるヘリコバクターピロリ感染に対する尿素呼気試験の臨床的研究―人間ドックおよび外来検診を中心として

消化性潰瘍や胃がんと関連の深いヘリコバクターピロリ(H.pylori)感染の有無を知るため非侵襲性の尿素呼気試験を人間ドックや健診への適用を図るために研究した。人間ドックを含めた当病院受診者に検査前に呼気を採取し次いで13C尿素100mg を服用させ20分後に呼気を採取する。得られた呼気を赤外線分光分析装置にで13Cを測定し,前後の変化量を算出して2.5%以上をH.pylori陽性と判定した。男369例,女103例合計472例に尿素呼気試験を実施し,陽性例は男353例,陽性率は95.7%であり,女は93例が陽性で陽性率は90.3%であった。合計446例が陽性で94.5%の陽性率であった。疾患別...

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Veröffentlicht in:健康医学 2004/06/25, Vol.19(1), pp.71-75
Hauptverfasser: 服部, 外志之, 瀧, 智行, 井上, 貴夫, 河原崎, 富強, 小田, 雄一, 中澤, 三郎, 芳野, 純治, 乾, 和郎, 山瀬, 裕彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:消化性潰瘍や胃がんと関連の深いヘリコバクターピロリ(H.pylori)感染の有無を知るため非侵襲性の尿素呼気試験を人間ドックや健診への適用を図るために研究した。人間ドックを含めた当病院受診者に検査前に呼気を採取し次いで13C尿素100mg を服用させ20分後に呼気を採取する。得られた呼気を赤外線分光分析装置にで13Cを測定し,前後の変化量を算出して2.5%以上をH.pylori陽性と判定した。男369例,女103例合計472例に尿素呼気試験を実施し,陽性例は男353例,陽性率は95.7%であり,女は93例が陽性で陽性率は90.3%であった。合計446例が陽性で94.5%の陽性率であった。疾患別陽性率は胃潰瘍が男96.2%,女91.8%,十二指腸潰瘍が男94.8%,女94.1%であった。除菌治療による陰性例は383例,85.9%の陰性率であった。疾患別陰性率は胃潰瘍で男が85.2%,女が93.3%であり十二指腸潰瘍では男が84.5%,女が87.5%であった。胃がんについては15例中13例,86.7%の陽性率であった。胃・十二指腸潰瘍とH.pyloriとの関連および胃がんとの関連においても萎縮性胃炎,腸上皮化生を通して明らかとなっている今,人間ドックや健康診断の場においてもH.pyloriの診断はX線造影検査や内視鏡検査とともに上部消化管検査に簡便で必要な検査と考えられる。
ISSN:0914-0328
2186-5019
DOI:10.11320/ningendock1986.19.71