277. 人間ドック・検診における生活習慣修正の進め方

目的:ドック, 健診に際し, 被検者の健康障害の背景に潜む生活習慣の歪みへの対応のあり方を検討する1環として, 今回は昨年度報告した高血圧, 糖尿病症例が1年後の今回どう変化し, その変化と生活習慣との関係を検討した. 方法:A社従業員男40歳以上, 女48歳以上の190例に対し日帰り人間ドックを施行, その結果をCMI上の愁訴, 生活調査表による生活習慣と対比した. とくに今回, 昨年高血圧, 糖尿病と判定した例の1年後と検討した. 結果:1)リスクファクターの頻度:運動不足, タバコが約半数に, 高脂血症, 連日の飲酒, ストレスが約1/3に, 肥満が約1/4に, 高血圧, 糖尿病, 高尿...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:健康医学 2002, Vol.16 (4), p.580-580
Hauptverfasser: 福永有希子, 長田洋文, 伊藤ミヱ子, 佐藤良江, 松原愛弓, 出原薫, 志賀知美, 久木田光司, 金子成人, 森下健
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:目的:ドック, 健診に際し, 被検者の健康障害の背景に潜む生活習慣の歪みへの対応のあり方を検討する1環として, 今回は昨年度報告した高血圧, 糖尿病症例が1年後の今回どう変化し, その変化と生活習慣との関係を検討した. 方法:A社従業員男40歳以上, 女48歳以上の190例に対し日帰り人間ドックを施行, その結果をCMI上の愁訴, 生活調査表による生活習慣と対比した. とくに今回, 昨年高血圧, 糖尿病と判定した例の1年後と検討した. 結果:1)リスクファクターの頻度:運動不足, タバコが約半数に, 高脂血症, 連日の飲酒, ストレスが約1/3に, 肥満が約1/4に, 高血圧, 糖尿病, 高尿酸血症が約1/5~1/10にみとめられたが, この頻度は前回の180例と今回の190例で差がみとめられなかった. 2)糖尿病の追跡結果:1年後の経過を追跡しえた糖尿病28例中今回の改善例は13例, その背景の生活習慣修正は, 食生活改善6例, アルコール中止または減量4例, 体重減少2例, 運動量増加2例, 内服薬開始1例であった. 改善例ではリスクファクター総数の減少が非改善例より著明であった. 3)高血圧例における1999年WHO/国際高血圧学会のリスク別高血圧分類の変化:昨年と今回比較しえた23例をみると改善は11例. なお降圧薬による治療群といえども, 14例中6例は血圧値以外のリスクファクター改善がみられないため, 不変または悪化. また未治療群でも生活習慣改善により3例が改善, また高血圧例中にリスクファクター重複例として知られる死の四重奏(高血圧, 高コレステロール血症, 糖尿病, 肥満)が7例に存在したが5例は降圧薬服用中であった. まとめ:ドック, 健診の際の患者指導には単に異常を告げるだけではなく, 生活習慣修正を中心としたリスクファクター除去に対する指導が大切と思われた.
ISSN:0914-0328