167. 体重増加が糖代謝成績へ及ぼす影響
目的:若年期以降の体重増加がOGTTを指標とする糖代謝成績及び関連項目にどの程度影響を及ぼすのか検討したので報告する. 対象及び方法:当センター受診者で75g0GTTの精査を受けた者の内, 20歳時のBMIが25未満であった男性73例, 女性35例, 計108例を対象にBMI25未満の非肥満群と25以上の肥満群に分け, OGTT成績, HbA1C, HOMA-R, TCH, LDL-C, HDL-C, TG, 血圧, 喫煙・飲酒習慣, DM家族歴について比較検討した. 更に, 体重増加の影響については20歳時の体重を基準とし, その増加率が10%未満をA群, 10~19%をB群, 20%以上を...
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Veröffentlicht in: | 健康医学 2002, Vol.16 (4), p.532-532 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 目的:若年期以降の体重増加がOGTTを指標とする糖代謝成績及び関連項目にどの程度影響を及ぼすのか検討したので報告する. 対象及び方法:当センター受診者で75g0GTTの精査を受けた者の内, 20歳時のBMIが25未満であった男性73例, 女性35例, 計108例を対象にBMI25未満の非肥満群と25以上の肥満群に分け, OGTT成績, HbA1C, HOMA-R, TCH, LDL-C, HDL-C, TG, 血圧, 喫煙・飲酒習慣, DM家族歴について比較検討した. 更に, 体重増加の影響については20歳時の体重を基準とし, その増加率が10%未満をA群, 10~19%をB群, 20%以上をC群と分け検討した. 結果:非肥満群と肥満群を比較すると, OGTT成績は肥満群に有意に正常型が少なく, 境界型が多く含まれていた. DM型は男性の肥満群でやや多いが, 有意差はなかった. その他の項目は肥満群が有意にHOMA-R, TGは高く, HDL-Cは低値であった. 女性においてはTCH, 拡張期血圧も有意に高値であった. 次に体重増加による影響を, 体重変化のなかったA群を基準に比較検討した. OGTT成績は増加率が増す程, 有意に正常型が減り, 境界型・DM型が増加する傾向にあった. 増加率20%以上のC群では, 初回のOGTTでDM型を示す割合が高かった. 男女共に有意差を認めたその他の項目はHOMA-R, HbA1C, HDL-C, TGで, 体重増加率が増す程, 各項目とも有意に悪化した. 今回さらに精査時BMI25未満の非肥満男性40例について, 20歳時からの体重増加率10%未満の不変群と10%以上の増加群に分け, 同様に追加研究した. その結果OGTT成績は増加群に有意に正常型が少なく, 境界型が多く認められ, HDL-Cは低値で, TGは高値であった. また, 有意差は認めなかったがLDL-C, HOMA-R, HbA1Cも高値傾向にあった. まとめ:肥満群は多くの項目で悪化傾向であった. さらに体重増加率の上昇に伴い, 糖代謝異常の増悪が認められ, 多くの動脈硬化危険因子が集積し, 動脈硬化性疾患への進展が示唆された. また現在肥満のない人でも若年期以降, 体重増加を認めた増加群では, 肥満群と同様の結果であった. このことより若年期から体重を増加させないよう, 指導, 教育することが重要である. |
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ISSN: | 0914-0328 |