137. 行動分析学からみた運動習慣(ウォーキング)の指導
「はじめに」:生活習慣病を予防・改善するには, 各個人が不適切になった生活習慣を見直し, 修正することが必須である. 運動不足により人間ドックの検査値に異常をきたした例は多いが, 新たに運動習慣を身につけることは極めて困難である. 運動習慣の指導においては, これまでのように運動に関する知識や動機づけを与えるだけでは習慣化にはつながらない. 心理学の一分野である行動分析学の視点で習慣形成について検討する必要があると考えて, 試みているので報告する. 「方法と結果」:1997年5月から演者が人間ドックで診察し, 運動習慣について問診した40歳以上の2,945名について, その頻度, 運動種目につ...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 健康医学 2001, Vol.16 (3), p.375-376 |
---|---|
1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「はじめに」:生活習慣病を予防・改善するには, 各個人が不適切になった生活習慣を見直し, 修正することが必須である. 運動不足により人間ドックの検査値に異常をきたした例は多いが, 新たに運動習慣を身につけることは極めて困難である. 運動習慣の指導においては, これまでのように運動に関する知識や動機づけを与えるだけでは習慣化にはつながらない. 心理学の一分野である行動分析学の視点で習慣形成について検討する必要があると考えて, 試みているので報告する. 「方法と結果」:1997年5月から演者が人間ドックで診察し, 運動習慣について問診した40歳以上の2,945名について, その頻度, 運動種目について検討した. 週1回以上の運動習慣のある人は男性の21%, 女性の24%であった. 運動種目では, 男女ともウォーキングが最も多く, 男性25%, 女性31%であった. 次いで男性ではゴルフ, テニス, ジョギングが多く, 女性では水泳, テニス, エアロビクスが多かった. 中高年においては, 新しく始めるのにはウォーキングが最も適しており, 演者は日常生活の中で積極的に, 活動的に歩く, ライフスタイル型のウォーキングを推奨している. 行動分析学の理論では, 行動は, その前(先行要因)と後(後続要因)の環境により制御されている. 運動習慣(ウォーキング)の導入にはその意義, やり方, 動機づけなどの先行要因, 継続には本人の歩いている最中や後の楽しみ, 充実感, 周りの社会的サポートおよび検査データの改善などの後続要因が大きく影響する. 指導の要点は各個人に適した運動習慣(ウォーキング)の環境が作れるようにサポートすることである. |
---|---|
ISSN: | 0914-0328 |