019. 超音波検査におけるBright pancreasの検討‐生活指導の指標と成りえるのか
「はじめに」:超音波検査における膵臓の高輝度判定は, 被検者の個々の体格や腸管ガスの影響を大きく受ける他, 検者の経験・技術・主観にも大きく左右される項目でもある. 我々は, その差を極力抑える為に検者をある程度固定し, 最終判定者を限定. 得られた結果をもとに血液・生化学検査値や, 追加検査との比較検討を実施した. 「対象」:1999年1月~2000年12月までに当センターを受診した20,908名男性11,572名(平均年齢47.01歳)女性9,336名(平均年齢44.79歳)を対象に, 超音波検査にてBright pancreas(高輝度膵)疑いと診断された症例について検討した. 「結果」...
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Veröffentlicht in: | 健康医学 2001, Vol.16 (3), p.324-324 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」:超音波検査における膵臓の高輝度判定は, 被検者の個々の体格や腸管ガスの影響を大きく受ける他, 検者の経験・技術・主観にも大きく左右される項目でもある. 我々は, その差を極力抑える為に検者をある程度固定し, 最終判定者を限定. 得られた結果をもとに血液・生化学検査値や, 追加検査との比較検討を実施した. 「対象」:1999年1月~2000年12月までに当センターを受診した20,908名男性11,572名(平均年齢47.01歳)女性9,336名(平均年齢44.79歳)を対象に, 超音波検査にてBright pancreas(高輝度膵)疑いと診断された症例について検討した. 「結果」:1)対象者の内, 脂肪肝を認めたのは, 男性41.10%で, 女性19.04%であった. 一方高輝度膵を認めたのは男性7.89%, 女性7.56%で, 脂肪肝・高輝度膵のいずれも認めたのは, 男性5.06%, 女性3.19%であった. 2)高輝度膵を認めたものの, 脂肪肝を伴わなかった男性328名, 女性408名のうち, 男性では高血糖・高血圧・飲酒歴との関連が多く, 女性では高齢者・BMI・総コレステロールとの関連が多く認められた. 3)高輝度膵を認めた再受診者に, 糖負荷試験を実施した症例では, 有意な相関を認めた. 4)超音波検査にて認める高輝度膵には, 肥満・高血糖など生活習慣病の指導指標や, 病態予測の経過観察に有用と思われた. 「結語」:膵臓の脂肪浸潤は, 病理学から細胞外間質部分への脂肪織の増加による変化で, 膵実質に障害をもたらすことはないといわれている. しかし, 何らかの原因により膵実質の萎縮に伴う脂肪変性や, 慢性膵炎などのように線維化による膵硬変なども膵臓は, 超音波検査にて高輝度膵に認める. その判定基準を確立する事により, 生活習慣病の指導指標となり, 特に高血糖や, 飲酒についての改善指標として有用性があると思われた. |
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ISSN: | 0914-0328 |