013. 筋エコー所見の数値化の試み‐histogramを用いて

「緒言」:筋肉の画像診断の一つとして, 以前より超音波を用いた報告が散見される. 超音波はリアルタイムで画像を描出し, 定性的評価に優れる一方で, 定量的評価には問題点が多い. 今回我々は, histogramを用いる事により, 筋の性状を数値化し, 客観的評価を行う事ができた. そして健常者における筋エコー所見を各年代間で比較した. 「対象」:20~70歳台の各年代における健常者40(男20, 女20)人ずつの計240人 「方法」:機種はACUSON SEQUOIA512超音波システム(リニア型8MHz探触子)を用い, 被検者は背臥位安静状態で, 右前脛骨筋(下腿の上1/3の部位)をB-mo...

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Veröffentlicht in:健康医学 2001, Vol.16 (3), p.321-321
Hauptverfasser: 小林康孝, 黒田ひとみ, 長谷千代子, 松尾康弘, 登坂伸弘, 見世ひと美, 橋本昌美, 中垣内照美, 梅木美幸
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」:筋肉の画像診断の一つとして, 以前より超音波を用いた報告が散見される. 超音波はリアルタイムで画像を描出し, 定性的評価に優れる一方で, 定量的評価には問題点が多い. 今回我々は, histogramを用いる事により, 筋の性状を数値化し, 客観的評価を行う事ができた. そして健常者における筋エコー所見を各年代間で比較した. 「対象」:20~70歳台の各年代における健常者40(男20, 女20)人ずつの計240人 「方法」:機種はACUSON SEQUOIA512超音波システム(リニア型8MHz探触子)を用い, 被検者は背臥位安静状態で, 右前脛骨筋(下腿の上1/3の部位)をB-mode断層エコーで描出した. 次に筋内に関心領域をtraceし, Scion Image(マイクロソフト社)を用いて筋内のechogenicityをgray value histogramで表し, その形態を比較した. 比較にあたっては, 平均値と最頻値の差の全体に対する割合(lag index:LI)を使用した. LI={(mode-mean)/maximum-minimum)}×100 「結果」:(1)男女とも加齢に伴いLIは上昇傾向にあり, 男性で50歳台, 女性では60歳台をピークに低下する傾向にあった. (2)男性では50歳台で20歳台・30歳台・70歳台に比べ有意にLIは高値を示した. 女性では有意差は認めなかった. (3)筋の厚みは, 男女とも各年代間で有意差はなかった. 「考察」:(1)LI値変動の要因としては, 筋線維数の変化, 筋線維の萎縮, 脂肪組織・結合組織の増加, 筋線維型の割合の変化などがあげられる. (2)LI値を用いることで, エコー所見を客観的に評価できた. (3)筋エコーは運動療法やリハビリテーションにおける効果の指標の一つとして利用でき, 簡便に評価できるため, 高齢者が増えた近年の人間ドックでの検査としても応用できるものと思われる.
ISSN:0914-0328