010. 腹部超音波検査による大動脈の評価‐大動脈壁石灰化と動脈瘤
「目的」:ルーチンの腹部超音波検査により同定された大動脈壁石灰化および腹部大動脈瘤について検討した. 「対象・方法」:対象は2000年4月~2001年3月に腹部超音波検査を施行し大動脈壁石灰化または腹部大動脈瘤を認めた150例で, 性別は男性117例女性33例, 年齢は39歳~89歳平均60.4歳である. 使用した超音波装置は東芝製SSA240A260A340Aの3台で周波数3.75MHzのコンベックス型探触子を用いた. 検査は4年以上の経験をもつ臨床技師技師3名で施行した. 評価方法は2名の専門医によりモニター診断による静止画とVTRによる動画像にてダブルチェック方式にて行い(1)大動脈壁石...
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Veröffentlicht in: | 健康医学 2001, Vol.16 (3), p.320-320 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「目的」:ルーチンの腹部超音波検査により同定された大動脈壁石灰化および腹部大動脈瘤について検討した. 「対象・方法」:対象は2000年4月~2001年3月に腹部超音波検査を施行し大動脈壁石灰化または腹部大動脈瘤を認めた150例で, 性別は男性117例女性33例, 年齢は39歳~89歳平均60.4歳である. 使用した超音波装置は東芝製SSA240A260A340Aの3台で周波数3.75MHzのコンベックス型探触子を用いた. 検査は4年以上の経験をもつ臨床技師技師3名で施行した. 評価方法は2名の専門医によりモニター診断による静止画とVTRによる動画像にてダブルチェック方式にて行い(1)大動脈壁石灰化の有無(2)腹部大動脈瘤の有無について評価した. また腹部大動脈瘤については全例CT検査にて確認をした. 「結果」:(1)大動脈壁石灰化は腹部超音波検査全体の7.0%であった. 大動脈壁の石灰化は男性において女性の約2.1倍の頻度で認められた. (2)年齢別では男女とも加齢とともに上昇し特に男性では50歳台からの上昇が顕著であった. 大動脈壁石灰化は男性では39歳女性では41歳から同定された. (3)腹部大動脈瘤は9名で腹部超音波検査全体の0.4%で性別では男性8例女性1例であり, 50歳台3例・60歳台5例・70歳台1例で最年少は51歳女性であった. また大動脈壁石灰化群では150例のうち9例6.0%に腹部大動脈瘤が認められた. (4)経年受診者にて前年時は大動脈壁石灰化であったが検討期間中に腹部大動脈瘤が発見されたのは2例であり, 以前に腹部大動脈瘤が指摘され本センターでの追跡中は3例であった. 「まとめ」:腹部大動脈など血管の形態的変化・診断に腹部超音波検査は無侵襲で簡便であり有用な方法である. 特に, 50歳を境界に大動脈壁石灰化や腹部動脈瘤が増加をするため, 少なくとも大動脈分岐部あるいは総腸骨動脈レベルまでの充分な観察が必要と考える. |
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ISSN: | 0914-0328 |