33. 健診受診者の胸部X線におけるtram linsの検討―tram linesは指摘すべき異常所見か(第一報)

「はじめに」:健診受診者において, 胸部X線写真上tram linesを精査すべき異常所見として指摘することはまれである. 副鼻腔気管支症候群(SBS)に対するクラリスロマイシン(CAM)療法の有効性はすでに報告されているが, SBSに特徴的な胸部X線所見のひとつであるtram linesが"指摘すべき異常所見であるか"を, 早期SBSに対するCAM療法の適応という観点から検討した. 「対象」:平成11年1月から12月までに, 当院健診部を受診し無作為にアンケート調査を行った300名のうち, 回答のあった男性49名, 女性11名を今回の検討の対象とした. 「方法」:(1)胸...

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Veröffentlicht in:健康医学 2000, Vol.15 (3), p.240-240
Hauptverfasser: 中野由美子, 小川晴彦, 瀧本弘明, 東福要平
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」:健診受診者において, 胸部X線写真上tram linesを精査すべき異常所見として指摘することはまれである. 副鼻腔気管支症候群(SBS)に対するクラリスロマイシン(CAM)療法の有効性はすでに報告されているが, SBSに特徴的な胸部X線所見のひとつであるtram linesが"指摘すべき異常所見であるか"を, 早期SBSに対するCAM療法の適応という観点から検討した. 「対象」:平成11年1月から12月までに, 当院健診部を受診し無作為にアンケート調査を行った300名のうち, 回答のあった男性49名, 女性11名を今回の検討の対象とした. 「方法」:(1)胸部X線上tram linesの強さをgrade 0~3に分類し, 受診時の自覚症状(膿性鼻汁, 後鼻漏, 咳嗽, 喀痰など)との関連を検討した. (2)承諾の得られた9名(男性5名, 女性4名)に対しクラリスロマイシン200mg/dayを8週間投与し, 前後でtram linesのgradeを比較した. 「結果」:(1)score化した自覚症状とgrade分類したtram linesには明らかな相関はなかった. (2)CAM療法を行った9名の胸部X線上, 8例にtram linesの改善を認めた. 「まとめ」:無症状もしくは喀痰などの自覚症状が軽微であっても, 早期SBSに対するCAM療法の適応という観点から健診において"tram linesは指摘すべき異常所見である"可能性が示唆された.
ISSN:0914-0328