東北地方太平洋沖地震後の宮城県内井戸の水質状況調査により判明した井戸水汚染について

平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による宮城県内の井戸水質への影響を把握するため, 平成28年度に沿岸部の井戸3件の水質状況調査を実施し報告している. それに加えて, 平成29年度から平成30年度にかけて, 沿岸部のほか内陸部を含む県内全域の井戸111件の水質状況調査を実施したところ, 聞き取りを中心とした予備調査の結果, 地震直後に濁り等の変化が見受けられた井戸は10件あることがわかった. また, 水質分析を行った結果, 2件の井戸でそれぞれひ素とふっ素, ほう素の環境基準値を超過していることが判明した. 今回の調査では, 全般的に地震前後での井戸水質の変化は顕著ではなかった...

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Veröffentlicht in:宮城県保健環境センター年報 2019-12 (37), p.55-58
Hauptverfasser: 加川綾乃, 赤崎千香子, 藤原成明, 松本啓
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:平成23年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による宮城県内の井戸水質への影響を把握するため, 平成28年度に沿岸部の井戸3件の水質状況調査を実施し報告している. それに加えて, 平成29年度から平成30年度にかけて, 沿岸部のほか内陸部を含む県内全域の井戸111件の水質状況調査を実施したところ, 聞き取りを中心とした予備調査の結果, 地震直後に濁り等の変化が見受けられた井戸は10件あることがわかった. また, 水質分析を行った結果, 2件の井戸でそれぞれひ素とふっ素, ほう素の環境基準値を超過していることが判明した. 今回の調査では, 全般的に地震前後での井戸水質の変化は顕著ではなかったものの, 一部の井戸で自然由来と思われる水質の変化が認められた. また, 一部の井戸で地震直後に井戸の濁り等の現象が捉えられていたことから, それらの井戸水質について, 地震直後に変化が起きていたことが想定された.
ISSN:0910-9293