鶏肉からの効率的なカンピロバクターの分離の検討と分離菌の性状
市販鶏肉からカンピロバクター検出を従来法, リンス法およびドリップ法の3方法で試みた結果, リンス法は従来法に比べ有効であった. また, ドリップ法も菌検出が可能で, 検体が入手できない場合でもドリップ液が検査に利用できることがわかった. 培養にボルトン培地を用いると好気条件でも良好に菌が分離でき効率的な菌検出が可能であった. 分離菌株の薬剤感受性試験の結果ニューキノロン系薬剤に加えテトラサイクリン系薬剤でも耐性菌の出現が認められた. 分離菌株の病原遺伝子は毒素産生遺伝子virBllが食中毒患者由来菌株では高い保有率を示し, カンピロバクターの病原性との関連が示唆された. 「1 はじめに」カン...
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Veröffentlicht in: | 宮城県保健環境センター年報 2006-11 (24), p.117-120 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 市販鶏肉からカンピロバクター検出を従来法, リンス法およびドリップ法の3方法で試みた結果, リンス法は従来法に比べ有効であった. また, ドリップ法も菌検出が可能で, 検体が入手できない場合でもドリップ液が検査に利用できることがわかった. 培養にボルトン培地を用いると好気条件でも良好に菌が分離でき効率的な菌検出が可能であった. 分離菌株の薬剤感受性試験の結果ニューキノロン系薬剤に加えテトラサイクリン系薬剤でも耐性菌の出現が認められた. 分離菌株の病原遺伝子は毒素産生遺伝子virBllが食中毒患者由来菌株では高い保有率を示し, カンピロバクターの病原性との関連が示唆された. 「1 はじめに」カンピロバクター食中毒は近年増加傾向がみられ, 原因食品として食肉, 特に鶏肉が重要視されている. 食中毒発生防止のために, 市販食肉のカンピロバクター汚染の現状を把握することが重要と考え, 2004年6月から12月に県内の市販鶏肉汚染実態調査を実施した結果, 少量菌量ではあるが, 鶏肉の55%, 鶏レバーの91%, 牛レバー25%から, また, 同時に実施した牛胆汁では20%からCampylobacter jejuniが検出され, 食中毒のリスクが大きいことが明らかになった1). |
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ISSN: | 0910-9293 |