魚試料中PCBの高速溶媒抽出装置による抽出法の検討

加熱アルカリ分解法による魚介類試料へのPCB標準添加回収試験において, 10塩素体等高塩素体の回収率が低く, 加熱による分解が示唆された. 回収率改善のため, 高速溶媒抽出装置による抽出条件の検討を行った. 試料は, 乳鉢で無水硫酸ナトリウムと十分に摺り合わせ脱水した. 抽出条件として, 温度150℃, 加圧1500psi, 抽出溶媒にアセトニトリルを使用することにより, 9, 10塩素体の標準添加回収率が95%以上となり, 実試料からの抽出も同様に満足のいく結果が得られた. また, 高速溶媒抽出装置による抽出は閉鎖系であり, 溶媒使用量も少ないメリットがある. 更に, 前処理操作の簡便化を目...

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Veröffentlicht in:宮城県保健環境センター年報 2004-11 (22), p.72-76
Hauptverfasser: 氏家愛子, 長船達也, 佐藤信俊
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:加熱アルカリ分解法による魚介類試料へのPCB標準添加回収試験において, 10塩素体等高塩素体の回収率が低く, 加熱による分解が示唆された. 回収率改善のため, 高速溶媒抽出装置による抽出条件の検討を行った. 試料は, 乳鉢で無水硫酸ナトリウムと十分に摺り合わせ脱水した. 抽出条件として, 温度150℃, 加圧1500psi, 抽出溶媒にアセトニトリルを使用することにより, 9, 10塩素体の標準添加回収率が95%以上となり, 実試料からの抽出も同様に満足のいく結果が得られた. また, 高速溶媒抽出装置による抽出は閉鎖系であり, 溶媒使用量も少ないメリットがある. 更に, 前処理操作の簡便化を目的に, 抽出用セルの下部に酸性アルミナを敷き, 抽出と同時精製の検討を行った. しかし, 150℃, 2000psi以上でのヘキサン抽出では, 試料からの水分の流出によりアルミナ活性が失活し, 精製効果が得られなかった.
ISSN:0910-9293