カキ養殖海域におけるノロウイルスの定量的定点観測について

厚生科学研究 カキの生食用養殖海域における海水のNV汚染状況は5海域の25地点で冬季を中心に原則として毎月海水とカキを1回以上採取して定点観測を行った. 海水でのリアルタイムPCRにおける実測値が10コピー以上を示し, NV汚染が認められたのは, A海域およびO海域地点の各1地点で1月, 3月であった. O海域のその地点には, 河川を通して下水処理場の放流水の流入があり, これが汚染源と推測された. カキも1月, 2月にNV陽性率が高くなっていた. カキ養殖筏のカキでは上部が最も検出率が高く, 次いで中部であり, 下部からはNVが検出されなかった. 河川水とともに流入したNVは筏の中央(海面下...

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Veröffentlicht in:宮城県保健環境センター年報 2003 (21), p.168-168
Hauptverfasser: 西尾治, 福田伸治, 渡邉節, 植木洋, 吉澄志摩, 安藤克幸, 篠原美千代, 大瀬戸光明, 山口卓, 秋山美穂
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:厚生科学研究 カキの生食用養殖海域における海水のNV汚染状況は5海域の25地点で冬季を中心に原則として毎月海水とカキを1回以上採取して定点観測を行った. 海水でのリアルタイムPCRにおける実測値が10コピー以上を示し, NV汚染が認められたのは, A海域およびO海域地点の各1地点で1月, 3月であった. O海域のその地点には, 河川を通して下水処理場の放流水の流入があり, これが汚染源と推測された. カキも1月, 2月にNV陽性率が高くなっていた. カキ養殖筏のカキでは上部が最も検出率が高く, 次いで中部であり, 下部からはNVが検出されなかった. 河川水とともに流入したNVは筏の中央(海面下4.5m)付近までのカキを汚染していることが示唆された. H海域では海水温と塩分濃度によるNV汚染との関連性は認められなかった. カキ1個を1検体とする今回のNV検査では, 同一ロットのカキでも陽性と陰性の結果が見られることから, 養殖海域カキの安全性の確認や食中毒事例の検査における検体数を検討し, 全国的に統一する必要があると思われた.
ISSN:0910-9293