わが国で発生したSalmonella. Enteritidisによる食中毒の症状及び潜伏時間の解析
1982~1995年までにわが国で発生したSalmonella Enteritidisを原因物質とする203事件を収集・整理し, 食中毒事件別の患者の症状(下痢・嘔吐・発熱)の発生率及び潜伏時間について, 学校給食・保育園給食とそれ以外の調理業態の2群に区分して解析した. その結果, 学校給食・保育園給食を原因とするS.Enteritidis食中毒の各事件の多発潜伏時間の平均値はそれ以外の調理業態より有意に長かった. そこで今回, 2群別の症状及び潜伏時間の特徴を表した原因菌種推定表を作成し解析に用いた. これによって学校給食・保育園給食ではその他の調理業態を原因とするS.Enteritidi...
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Veröffentlicht in: | 宮城県保健環境センター年報 2002-11 (20), p.39-43 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 1982~1995年までにわが国で発生したSalmonella Enteritidisを原因物質とする203事件を収集・整理し, 食中毒事件別の患者の症状(下痢・嘔吐・発熱)の発生率及び潜伏時間について, 学校給食・保育園給食とそれ以外の調理業態の2群に区分して解析した. その結果, 学校給食・保育園給食を原因とするS.Enteritidis食中毒の各事件の多発潜伏時間の平均値はそれ以外の調理業態より有意に長かった. そこで今回, 2群別の症状及び潜伏時間の特徴を表した原因菌種推定表を作成し解析に用いた. これによって学校給食・保育園給食ではその他の調理業態を原因とするS.Enteritidis食中毒より下痢の発生率は低く, かつ激しい症状を呈する患者の割合が低い事件が多いことが分かった. しかし, 高い熱を呈する者の割合はやや高い傾向がみられた. このことから, 学校給食・保育園給食の食中毒の原因究明に当たっては, 長い潜伏時間と比較的軽度な下痢症状を呈するサルモネラ食中毒を考慮して調査する必要があると考えられる. |
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ISSN: | 0910-9293 |