結核検診における接触者検診の意義―接触者検診で発見された4例の結核発症者の検討より

「加齢医学研究所雑誌 第51巻第2号 pp67-77 平成12年3月」宮城県石巻保健所が最近3年間に行った肺結核患者への接触者検診で, 対象者871人から発見された肺結核患者のうち4症例について報告する. 4人の各症例の初発患者は全て排菌陽性の肺結核であり, 喀痰塗沫検査でも高いガフキー号数を示し, 肺の病巣も広範囲にわたっていた. 続発患者のうち培養陽性となり菌株が得られた2例についてそれぞれ結核予防会結核研究所と宮城県保健環境センターでDNAのRFLP分析を行った結果, 1例では初発患者と続発患者でバンドパターンが異なり, 初発患者からの感染ではないことが判明した. しかしもう1例ではRF...

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Veröffentlicht in:宮城県保健環境センター年報 2000 (18), p.170-170
Hauptverfasser: 吉田菊喜, 吉原明子, 国香大介, 戸塚浩平, 有田富和, 白石廣行, 高橋光良, 阿部千代治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「加齢医学研究所雑誌 第51巻第2号 pp67-77 平成12年3月」宮城県石巻保健所が最近3年間に行った肺結核患者への接触者検診で, 対象者871人から発見された肺結核患者のうち4症例について報告する. 4人の各症例の初発患者は全て排菌陽性の肺結核であり, 喀痰塗沫検査でも高いガフキー号数を示し, 肺の病巣も広範囲にわたっていた. 続発患者のうち培養陽性となり菌株が得られた2例についてそれぞれ結核予防会結核研究所と宮城県保健環境センターでDNAのRFLP分析を行った結果, 1例では初発患者と続発患者でバンドパターンが異なり, 初発患者からの感染ではないことが判明した. しかしもう1例ではRFLPのバンドパターンが完全に一致し, 両者間に感染があったことが明確に証明された. 今回, 続発患者のうち排菌陽性の2例は初回の接触者検診時, 胸部X線写真で異常が見出されたが, 非排菌陽性の2例は初発患者登録直後の検診では異常が無く, 半年後(2回目)あるいは1年後(3回目)の検診で初めて病巣が発見された. このことは, 複数回の接触者検診が有効であることを示している.
ISSN:0910-9293