局所的な高強度運動が運動抑制過程に及ぼす影響

「1. 緒言」 ヒトがなんらかの課題を遂行する場合, また運動場面でパフォーマンスを発揮する際には, 与えられた刺激を知覚し, 脳内での情報処理を経て, 行動として出力するという一連の過程を必要とする. 運動がこの情報処理過程に影響を与えることは古くから論じられており, いくつかの実験が行われている. しかしながらそれらの研究の多くは, 視覚閾値やline-matchingテスト, 単純な足し算テストのような認知テストを用いて評価しており, 生理学的な指標を用いて客観的に評価した研究は少ない. また, 中枢神経系の重要な機能の1つである認知機能はスポーツの状況判断, 運動の実行, 技術習得など...

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Veröffentlicht in:日本運動生理学雑誌 2016-02, Vol.23 (1), p.1-9
Hauptverfasser: 黒岩一雄, 西平賀昭, 福本寛之, 碓井外幸
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. 緒言」 ヒトがなんらかの課題を遂行する場合, また運動場面でパフォーマンスを発揮する際には, 与えられた刺激を知覚し, 脳内での情報処理を経て, 行動として出力するという一連の過程を必要とする. 運動がこの情報処理過程に影響を与えることは古くから論じられており, いくつかの実験が行われている. しかしながらそれらの研究の多くは, 視覚閾値やline-matchingテスト, 単純な足し算テストのような認知テストを用いて評価しており, 生理学的な指標を用いて客観的に評価した研究は少ない. また, 中枢神経系の重要な機能の1つである認知機能はスポーツの状況判断, 運動の実行, 技術習得など様々な場面で重要な役割を果たしており, これらのことから運動による人体への影響, 特に中枢神経系への影響を研究することにあたっておさえなければならない領域の1つである. 近年, 大脳皮質における運動と認知機能, 運動と情報処理能力との関係を調査する研究は, 事象関連電位(event-related potential: ERP), 背景脳波周波数解析(background EEG frequency), 筋電図反応時間(electromyogram reaction time: EMG-RT)のような電気生理学的後術の発展によって急速に進歩した.
ISSN:1340-3036