空手道選手の急速減量における大腿部筋体積, 筋力および無酸素性作業能力の変化

「I, 緒言」空手道組手試合では, 世界選手権大会, 国民体育大会などで, 体重階級制が採用されている. 柔道2, 3, 20, 24, 34, 36), ボクシング7, 28), レスリング5, 9, 23, 25, 35)や重量挙げ16, 17, 18)などの体重階級制スポーツにおける急速減量に関しては, 数多くの研究がなされているが, 空手道選手の減量に関する報告6, 33)は少ない. 空手道の技術は, 柔道やレスリングとは異なり攻撃技が突き, 打ち, 蹴りといった打撃技である. また, 同じ打撃技を使うボクシングにおいては, 空手道組手試合の競技時間が, 中断を含めても約5分間であるのに対して, 空手道の競技時間は, ボクシングの競技時間(アマチュアの場合)3分間3ラウンドでラウンド間のインターバルが1分×2を加えた合計11分間の場合と比べて, 半分以下である. そのため, 空手道の減量は, 同じ格闘技といっても柔道, レスリング, ボクシングの減量実験の結果と異なると思われる. なお, 空手道を含め体重階級制を用いるスポーツでは, 体重の調整, 特に減量が重要視されている.