長野県内の健康増進プログラムに参加する中高年者における野菜摂取方法の夏冬比較
「目的」:健康長寿の延伸に向けて不足が懸念されている野菜の摂取について, 野菜摂取量が全国1位の長野県で健康増進プログラムに参加している人たちの野菜の摂取方法を明らかにし, 摂取量増加に向けた働きかけについて検討することを目的に食事調査を実施した. 「方法」:調査は夏(2019年7月)及び冬(2020年2月)の2回実施した. 調査対象者は, 健康増進プログラムに参加している中高年男性53名(45~84歳, 平均±SD:69.0±8.83歳)および女性90名(40~84歳, 平均±SD:65.5±8.31歳)であった. 本調査では, 独自に作成した7日間の簡易食事調査票を使用した. 食事摂取量を...
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Veröffentlicht in: | 信州公衆衛生雑誌 2022-03, Vol.16 (2), p.99-106 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「目的」:健康長寿の延伸に向けて不足が懸念されている野菜の摂取について, 野菜摂取量が全国1位の長野県で健康増進プログラムに参加している人たちの野菜の摂取方法を明らかにし, 摂取量増加に向けた働きかけについて検討することを目的に食事調査を実施した. 「方法」:調査は夏(2019年7月)及び冬(2020年2月)の2回実施した. 調査対象者は, 健康増進プログラムに参加している中高年男性53名(45~84歳, 平均±SD:69.0±8.83歳)および女性90名(40~84歳, 平均±SD:65.5±8.31歳)であった. 本調査では, 独自に作成した7日間の簡易食事調査票を使用した. 食事摂取量を把握するために, 夏の調査では, 簡易型自記式食事歴法質問票(BDHQ)を用いた調査も併せて実施した. 「結果」:7日間の野菜を使用した料理の出現回数は, 冬と比べて夏の方が有意に多かった. 野菜料理を調理方法別に見ると, 夏の方が有意に多かったものは生野菜を使用した料理と漬物, 冬の方が有意に多かったものは加熱野菜を使用した料理であった. 夏に実施したBDHQより算出した野菜摂取量の中央値で対象者を少ない群と多い群の2群に分け, 夏と冬の食事調査結果の解析を行ったところ, 生野菜を使用した料理と漬物の出現回数は両群とも夏の方が有意に多かった. 一方, 加熱野菜を使用した料理は, 少ない群では冬の方が有意に多かったが, 多い群では季節による差は有意ではなかった. 主食, 主菜など料理の種類別では, 副菜の煮物と汁物で両群に違いが見られた. 少ない群では, 煮物は夏と冬で差がなく, 汁物は冬の方が多かったが, 多い群では煮物は夏の方が多く, 汁物は夏と冬に差は見られなかった. 「考察」:夏と冬を比較すると, 夏の方が野菜を使用した料理の出現回数が多く, 頻回に野菜を使用した料理を食べていることが明らかになった. 夏と冬では調理方法に違いが見られたが, 野菜摂取量の多い群では夏でも加熱野菜を使用した料理の出現回数が多く, その要因として, 煮物と汁物があると推察された. |
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ISSN: | 1882-2312 |