ながの社会医学系専門医研修プログラムの現状と課題

「目的」: 社会医学系専門医制度は, 公衆衛生医師が社会医学を体系的に学び, また実務への理解を深めるために有意義な制度である. 2017年4月よりながの社会医学系専門医研修プログラムによる研修を受講し, 現状分析と今後の課題について検討を行った. 「方法」: ながの社会医学系専門医研修プログラム「長野県行政コース」において, 行政医師として県内保健福祉事務所に所属し, 1) 基本プログラムによる学習, 2) 主分野における現場での学習, 3) 副分野における現場での学習, 4) 自己学習により構成される専門研修を受けた. これらの状況を整理し, 今後の課題について検討した. 「結果」: 基本...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:信州公衆衛生雑誌 2020-10, Vol.15 (1), p.27-32
1. Verfasser: 長瀬有紀
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「目的」: 社会医学系専門医制度は, 公衆衛生医師が社会医学を体系的に学び, また実務への理解を深めるために有意義な制度である. 2017年4月よりながの社会医学系専門医研修プログラムによる研修を受講し, 現状分析と今後の課題について検討を行った. 「方法」: ながの社会医学系専門医研修プログラム「長野県行政コース」において, 行政医師として県内保健福祉事務所に所属し, 1) 基本プログラムによる学習, 2) 主分野における現場での学習, 3) 副分野における現場での学習, 4) 自己学習により構成される専門研修を受けた. これらの状況を整理し, 今後の課題について検討した. 「結果」: 基本的プログラムによる学習として, 国立保健医療科学院専門課程保健福祉行政管理分野を受講した. 主分野における学習として, 長野保健福祉事務所及び北信保健福祉事務所において実務研修を受けた. 実務研修では, 「母子保健(医療的ケア児に関する地域支援体制の構築)」「感染症対策(管内の結核患者の疫学的特徴及び対策)」等に対し, 地域課題の分析を行い, 課題解決に向けた取組の提案を行った. 副分野においては, 産業分野における実務研修(企業実務見学等), 医療分野における公衆衛生学的領域における研修(医療監視, 病院運営委員会等)を受けた. また, 学術活動として, 日本公衆衛生学会総会での発表を行った. 「考察」: 研修プログラムは, 社会医学を体系的に学び実務の理解を深めるために有用であるが, より具体的な課題内容の提示, 到達すべき目標とそれに応じた課題に関するロードマップ作成が, 研修をより効果的に行う上での課題と考えられた.
ISSN:1882-2312