6. 禁煙をアウトカムとしたタバコ増税の効果測定と今後の禁煙支援活動について

2010年10月のタバコ価格への大幅増税の効果を, 禁煙をアウトカムとして, 自記式調査票により確認した. 2企業を対象とし回収率は87.4％（661/756）であり, 242人（36.6％）が喫煙していた. 現喫煙者の方が非喫煙者よりも社会的にタバコを受けいれやすく（FTND）, 現喫煙者中139人が回答した禁煙を考えるタバコ価格（1箱）は平均1,284円であり, ニコチン依存度の高い人の方がこのタバコ価格が高い傾向が見られた. 2010年に禁煙を試みた現喫煙者32人中20人, 喫煙を達成した29人中11人はこの大幅増税の影響も受けており, 実施者数そのものも2010年以前の年間実施者数よりも多かった. 「A. 目的」2010年10月の増税によるタバコ価格（1箱）の増加は近年まれにみる大幅なものであった. この効果を禁煙への挑戦, および, 禁煙達成をアウトカムとして確認する. また, 自記式調査票によりニコチン依存度, 増税への賛否, 等を調べることにより, 現喫煙者の更なる禁煙支援活動に役立つ方策を模索することを目的とした.